標的421 ページ29
＊第三者視線
ー少し飛ばしますー
「ツナ君、ごめん。僕達の勘違いのせいでこんなことに……」
風琳達がDと一戦交えてる頃、タマ達はというと無事正気を取り戻した炎真を助け出すことができた。
涙を滲ませ、謝罪の言葉を口にする炎真にツナは小さく微笑んで炎真達のせいじゃないと一言。
「ああ。わりーのはD・スペードだ」
「……一つ聞いていいかな、ツナ君」
「？」
「“誇りに懸けて”って言ってたけどツナ君の誇りって何なの？」
それは炎真を正気に戻した時、彼の腹から巨大なブラックホールが出現し、それを大空の炎で埋めた時に言った台詞だった。
一瞬不思議そうな顔をしたツナだったが、その事を思い出したのか、ああ、なんだっと呟く。
「そのことか。オレの誇り。それは…君だよ」
「！！」
「本当のことを言うとここにきてからもずっとわからなかったんだ…誇りなんて考えたことなかったし…そんな立派なものを持ってる自信がなかったよ。
でもヒバリさんが譲れないものが誇りだって教えてくれて…それだったら迷うことなく答えられるよ。オレの誇りは仲間だし、友達だって！！」
ニッと笑うツナにぽかんと口を開けていた炎真だったが、そっかと笑った。なんともツナらしい発言だ。
それからツナは事情を話し、炎真はツナ君の力になりたいと決意を示した。その言葉にツナはもちろんだと頷く。
「ツナと炎真のダメダメコンビ結成だな」
「んなーーーっ！？変なネーミングするなよ！！」
「ツナと炎真はどっちがダメダメなの？」
「どっちって……」
ランボの純粋な疑問に言葉を詰まらせるツナと炎真。何も答えないでいるとランボはツナがいいと笑った。
「はあ！？」
「ツナが一番似合うもんね！！」
「何言ってんだアホ牛！！」
「人気だな、ツナ」
「そ、そうですね……」
「全然嬉しくないし…」
「そりゃそーだ！！」
褒めてないんだから。
誰も口にはしなかったものの、誰もがそう思ったことだろう。だが、これがきっかけで笑いの渦に包まれる。
……が。
「勝敗は決した」
水を差したのは復讐者だった。
「敗者はシモンファミリーボス古里炎真」
復讐者の言葉にツナが待ったをかける。オレ達は憎しみあってない。戦う意味はなくなったと豪語するツナだったが、復讐者は頑なに首を縦に振らない。この戦いは最後まで止まることはできないと一刀両断される。
「お前達の先祖により、決められた掟だ。6つ目の「鍵」を授ける。これだ」
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