標的258 ページ20
「一時休憩にしますよ」
横一線に薙刀を振るうが余裕で避けられた。もう一度振るおうと薙刀に力を込めたところで桃花の声がかかる。
その言葉に私はふっと力が抜け、座り込んだ。私の近くで修行をしていた静弥もこちらに駆け寄ってくる。
目の錯覚だろうか……彼の表情がとてもイキイキしているように見えるのは。ふわりと灰色のマフラーが宙を舞う。
「か、母さん…あの、お、おつかれさま……あの桃花も」
「私はついでですか、静弥君」
「あ、いや!!そ、そそそ、そう言うわけじゃ!」
ワタワタとする静弥に笑みを零す桃花。とても楽しそうである。たまに見られるこの光景に私は少し笑ってしまった。
とここでウィーンと自動扉が開く。入ってきたのはツナだった。
「タマ!修業、どうかな?捗ってる?」
「あ…ま、まあまあです。けど前よりも強くなった気がします!!」
「まあ私に勝てなきゃ意味ないんですけどね」
「と、桃花!!」
毒を吐く桃花に静弥が窘める。まあ確かに全くもってその通りなのだが……と肩を落とすとツナは苦笑した。
「そう言われるとオレもヒバリさんに勝てるかどうか…」
「無理ですね。あと10年ほど修業しなくては」
きっぱりと言い切る桃花にツナは口角を引きつらせた。
「と、桃花ちゃんって……正直に言うよね」
「クフフ。お褒めに預かり光栄ですよ」
褒めてないんだけどなぁと困り顔を浮かべるツナに桃花は笑みを崩さない。流石骸とお姉ちゃんの娘だけはあると思う。
「それで沢田綱吉。私達に何か用ですか?」
「え?い、いや別に……ただどうかなって思って」
「ほう。君は他人の心配よりも自分の心配をした方がいいのでは?先ほどトレーニングルームでいい音が鳴ってましたけど」
いい音……?って桃花との修行中にあった爆発音のことだろうか。
「……ゔっ。そう言われると反論できない…う、うん…わかってる。けどその前に確かめたいことがあって」
「ご、獄寺さんのこと、ですか?おじさん」
「え?あ、う、うん。そうなんだ。今頃無茶してるんじゃないかって心配で……」
「なら行っておやりなさい。私達はこれから修業なので行けませんけどね」
……なんてことだ。休憩に乗じて私も獄寺さんの様子を見に行こうと思っていたのだが…
がくっと肩を落とす私にツナは小さく笑う。笑うところではないと思う。
「う、うん!!じゃあまたね、タマ、静弥君」
とツナは言うと去っていった。
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