検索窓
今日:10 hit、昨日:28 hit、合計:22,492 hit

標的06 ページ8

『とりあえず今日の夕飯はハンバーグだなー』

『お姉ちゃんのハンバーグ、大好きです!!』

『おー、それはよかった!!チーズインハンバーグにしようかと思ってたんだ』

……今思えば、私はらしくない馬鹿げたことを願ったものだと後悔している。

いつまでも、なんて永遠に続く平和な日常があるはずないのに。



 ***


毎夜のように見る夢が前世の最後の記憶だと知ったのは、中学校に上がってすぐのことだった。

今は4月。まだ中学生になって日が浅い私達、新入生はその日、先生から校内の案内を受けていた。

隣にいるツナは、どこか憂鬱そうで、この後に行われる自己紹介で噛まないように小声で練習している。

ふと顔を上げれば、空は晴れ渡っており、太陽が眩しい。思わず目を細めているとふと屋上に目が行った。そこには見下ろしている二人組がいる。

遠すぎてよくわからないが男と女だってことはわかる。日本人特有の黒髪だ。

私は母が栗色の髪なので私もツナも栗色の髪。瞳は姉弟揃って蜂蜜色。と言っても私とツナは双子だ。似ているのは仕方がないと思う。

とはいえ、二卵性なので性格、髪型は似ていないが。なんでツナの髪はあんなツンツンとしているのだろう。不思議でたまらない。

前にツナの髪に触ったことがある。もちろんツナが寝ている時だ。かなりサラサラしてた。もう沢田家七不思議の一つに数えてもいい気がします。

ふわり。風でアイボリー色のマフラーが靡く。それと同時に小さな桜色の花びらが入ってきた。

ツナの髪についたので取ってあげるとツナがハッとする。

「タマ?どうしたの?」

「え、えっと……あの、はは、花びらが、その」

小さな花弁をツナに見せるとあ、本当だとツナは笑みを浮かべる。

「ありがとう、タマ」

「い、いえいえ!!あのツナ。ぼーっとして歩いてると壁にぶつかっちゃう……ので、そのちゃんと前見て……。!!」

ガンッと言ったそばからツナが曲がり角付近の壁に激突する。周りから笑いが出るが私は、ツナに近寄る。

「ツナ!!だ、大丈夫ですか!!びょ、病院!よ、よよよ養護教諭***!!」

「へ、平気。平気だから。最後の方、何言ってるかわかんないよ……」

遠回しに話を大きくしないでと言っている気がする。コクコクと何度も頷けば、全くとツナは少し困ったような笑みを浮かべた。

もう、ツナのことお兄ちゃんと呼んでしまいたい。年上の意地とプライドにかけて呼びませんけど。

疾風07→←疾風05



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 6.9/10 (12 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
17人がお気に入り
設定タグ:合作 , REBORN
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:小町&夜野兎 x他1人 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2018年4月11日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。