疾風43 ページ45
裁縫、か…
雪美「会長さんは、裁縫得意ですか！？」
珠代「せ、セツちゃん…！」
風琳「……裁縫は、人並みだよ。女としての嗜みでね…嫌だけど」
雪美「人並み、ですか？」
風琳「うん、手先があまり器用じゃなくてね。雑巾とか巾着とか…簡単な物しか出来ないや。服とか難しいのになると無理だね」
前世では、僕が料理でタマが裁縫って感じで綺麗に分かれてたんだっけ…
よく僕が喧嘩とかで服を破いてたからなぁ…今は自分でやったり家政婦さんに頼んでるよ
雪美「へー！」
風琳「君は集中力が途中で切れて投げ出しそうだけどね」
雪美「なんで分かるんですか！？」
風琳「いつも見回りで君達を見ていたからね。これくらい普通さ」
それから、二人の会話を聞いていたけど…ノック音がし話を中断させた
風琳「誰」
「し、失礼します…！あ、あの…会長…これ、今日の授業で作って……」
この子……2年生だね。確か、今日家庭科の授業でクッキーを作ってたな…
風琳「僕に？それとも恭？」
「か、会長にです！」
風琳「へぇ、僕に…。ありがとう、嬉しいよ」
僕はそう言ってクッキーをくれた人の頭を優しく撫でてあげたら…何故か顔を真っ赤にして大声で「し、失礼しました！！」って言って出て行っちゃったよ…
風琳「最近、彼女みたいな子が増えたな…恭もさっきみたいな子が多くてイライラするって言ってたし…」
雪美(あの先輩、絶対にファンクラブの人だよね。というか、会長さん…あれ、素でやってる？)
珠代(素…だと思います。あの様子では、ファンクラブの人達の気持ちに気付いてないですね)
雪美「会長さん…恐ろしい子…」
風琳「何だい？喧嘩なら買ってあげるよ」
クッキーを持ってない手でトンファーを構えると持田雪美は「ごめんなさい」と即答で謝った。残念…
珠代「か、会長さんは…クッキーとか好きなんですか？」
風琳「うん、好きだよ。甘い物食べてると疲れが飛ぶからね…一番好きなのはチョコマカロンだけど」
チョコ系は全般余裕でいけるよ。たくさん食べれる
時間を見ると昼だったのでそのまま3人で昼ご飯を食べ2人に教室に行くように言って2人が出たあと机の上を見た
……うん、綺麗に全部並べてある。今度から量が多い時あの二人を校内放送とかで呼び出そうかな…
僕一人でやると時間がかかってオールしないといけなくなりそうだし
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