標的40 ページ42
「……っ」
ツナに関してはもう弁解の余地などない。まさしくお姉ちゃんの言う通り、ツナは遅刻と早退を繰り返していたからだ。
獄寺さんについても……ツナ同様ないな。その内、お姉ちゃんがキレて突っかかりに行くんじゃないかと心配になる。
そしてリボーンについてだが、実をいうと私も彼のことはよくわかっていない。
ただボンゴレファミリーというマフィアの殺し屋でツナをボンゴレファミリー10代目ボスとするために、家庭教師となって目の前現れた。
コーヒーが好きでよくコーヒーを飲んでいる姿を見かける。その他に銃の手入れやファミリーの観察、などの趣味を持つ不思議な赤ちゃんということぐらい。
赤ちゃんなのに二足歩行だし。
赤ちゃんなのに拳銃扱えるし。
赤ちゃんなのにスーツ着込んでるし……ほんと、不思議だ。
もちろん、お姉ちゃんに彼が殺し屋だということは言わない。彼女にとってリボーンが排除の対象となるかもしれないからだ。
とはいえ、リボーンは強い。なのでお姉ちゃんが負ける確率がとても高いのだ。
リボーンに勝負を仕掛けるのはやめておいて方がいいと進言すべきだろうか。迷いどころである。
「私は特にないなぁ。ただリボーンとかいう子がツナのいとこだってのは話の内容で聞いてたけど。しかも最近のリボーンくんのブームは家庭教師ごっこらしいよ。子供らしいよねーー」
「……沢田珠代、本当?」
こちらにお姉ちゃんの視線が向く。私は何度も頷いた。……セツちゃんの言ったことはほとんどが嘘だが。
ジトッと私の方を見つめるお姉ちゃんにスイッと目をそらせばお姉ちゃんは息を吐く。
私の嘘はすぐにバレてしまったがこれ以上、質問する気はないらしい。正直言って助かった、ありがとうお姉ちゃん。
「あ、そうだ。君達暇でしょ?ちょっと書類の整理手伝ってよ。もちろん、日付を締切が早い順に並び替えるだけという簡単な仕事だから」
ね?と可愛らしく小首を傾けるお姉ちゃん。そんなお姉ちゃんにキュンとくる何かがあったのだろう、セツちゃんは目を輝かせ「是非!!」と言った。
けれど私は騙されない。お姉ちゃんがにいっと怪しく笑っているところを見てしまったからだ。
……流石お姉ちゃんというべきか。美しい容姿を武器に使うとは……
使えるものは使う。お姉ちゃんらしいといえばらしいが私を巻き込まないでほしいと思ってしまう私は可笑しいだろうか。
17人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ