疾風27 ページ29
泣きじゃくる妹…タマを宥めるように何度も優しく昔の様に頭を撫でた
容姿も、苗字も、香りも…全部違うのに名前だけは同じ…
僕は壊れ物を扱うように優しく抱きしめ「もう大丈夫」と言った
風琳「前世の時のように君は僕が守る。…お姉ちゃんに全て任せなさい!」
珠代「お、お姉ちゃん…!」
風琳「タマの事だから、血が繋がってないのに…とか他人なのに…とか考えてると思う。
だけど、僕にとっての家族は恭と君なんだ。だから、他人とか考えなくていい。今も昔も君は僕の妹だ」
珠代「うん…」
風琳「……でも、君がいきなりお姉ちゃんって言って僕がタマなんて言うと周りが驚くだろうし…2人っきりの時だけにしよっか」
珠代「間違って呼ばないようにしないと…」
風琳「フフ、頑張りなよ」
タマの頭を優しく撫でようとした瞬間、人がこっちに来る気配を感じ【氷室凪咲】から【雲雀風琳】になってタマから離れた
珠代「?…お、おねえちゃ……」
雪美「タマー!ごめん、待った!?て、会長!?」
風琳「……君、図書室では静かにしな」
雪美「ご、ごめんなさい!タマ、い、行こ」
珠代「は、はい…」
2人が図書室から出ていったのを見てから僕は本棚にもたれてズルズルと座り込んだ
風琳「良かった……タマ…友達も出来ていて…」
前世と同じでまだビクビクしてけどタマは優しい。僕がタマに手を出そうとした奴らを殴り怪我させた時も相手と僕を心配していた
本当は心のどこかでタマに会わない方がいい。今の僕は並盛生徒会長でありながら変わらず力で人を制してる…
そんな僕が彼女に近づいたら…ほかの奴らが何か勘違いして彼女に手を出そうとする…なんて思っていたからね
だけど、そんな心配はもういらないかな…。陰ながらタマを守る。それだけでいいや
僕は適当に本を手に取ってパラパラと捲り風紀委員が呼びに来るまで色んな本を捲ってるだけだった
呼びに来て恭と合流した時に恭に「なにか嬉しい事でもあった?」って聞かれたけど…「秘密」って答えたよ。恭がタマを好きになってたら喜ぶけど…
僕が取られたからって理由で殴ったりしないように前世の妹って事は内緒にしなきゃね!!
あ、明日から見回りで沢田家の周辺とか強化するようにいようかな…いや、護衛をつけるのもいいかな…うーん…迷惑をかけない方法を探さないとな!
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