疾風13 ページ15
風琳「ちょっとここで待ってなよ」
僕は沢田珠代に玄関に待つよう言い、真っ直ぐ恭の部屋に行った
風琳「恭、客人を連れてきたから邪魔しないでね」
恭弥「誰」
風琳「沢田珠代」
恭弥「帰らせてくる」
風琳「却下、今日は僕が勝ったんだから…ね?」
恭弥「……今日だけだよ」
風琳「ありがとう」
恭の頭を撫で、玄関に戻り「入りなよ」と言って部屋に案内した
部屋に入ると小包が置いてあったから恐らく…使用人の誰かが入ったな。全く……
小包から新刊を一つ取り出し珠代に渡した
珠代「あ、ありがとう…ございます…」
風琳「別に。……もう夕飯の時間だね、食べて行きなよ」
珠代「え!?」
風琳「拒否権は無いよ。僕の携帯貸してあげるから電話しな」
珠代「は、はい…!」
携帯を渡してから台所に向かいハンバーグカレーを作った。野菜は勿論多めだよ
夕飯ができた事を恭に伝え、飲み物を3つ用意する様に言ってから戻ると…
風琳「…気付いたんだ」
珠代「に、2冊…買ったんですか?」
風琳「うん、癖でね」
珠代「…癖……?」
風琳「………君は、前世の記憶ってのはあると思うかい?」
珠代「え……っ」
風琳「僕はその記憶がある。今と同じ双子で好きな物は全部同じとは言わなかったが…良くお揃いのものを持っていた。本を2冊買った理由はよくその子が買えなくて泣いていたからね…」
僕は、新刊が買えなくて泣いていた珠代を思い出した。その日から毎日2冊は買って机の上に置いていたなぁ……
沢田珠代の頭を軽く撫で「ご飯食べるよ」と言い出た。後ろから駆け足で来ているのを感じた
……本当、授業とか見てきたが…沢田珠代…似ているな、僕の思い違いか?
恭弥「遅い」
風琳「ごめん、恭。沢田珠代、甘口だけど大丈夫か?」
珠代「だ…大丈夫…です…!好きなので…」
風琳「そうか」
口元が緩みそうになったが堪え、ハンバーグカレーを2人の前と自分の前に置いた
3人で「いただきます」と言ってから無言で食べ始めたが…チラッと沢田珠代の方を見ると本当に美味しそうに食べる珠代の姿と同じ姿で食べていて心の中で喜んだ
珠代が食べてるようだからな!
恭弥「…風琳、その小動物…送って行くの?」
風琳「……タクシー呼ぶ」
恭弥「ん、分かった」
言った通りタクシーを呼び、家に送り恭と一緒に寝た。甘えん坊の弟だなぁ…嬉しいが
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