その時まで . (ページ4)

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盛「リリー、おるか？？」

部屋の前まで来た

ただ、返事はない。

ドアノブに手をかければ
鍵は空いていて、簡単に入ることが出来た。

盛「ごめんリリー勝手に入るで」

薄暗い部屋から聞こえる

バラエティ番組のSEのような客の笑い声と
聞きなれた司会のツッコミ、
若手芸人のおもんないボケ。

テレビ見てるんかな…

盛「おるんやろ？返事してくれや… 」

もし風邪だった時の為に買った冷えピタと
ゼリーと栄養ドリンクを台所に置いて
部屋の電気をつけてから

その音の元へ向かう。

盛「リリー…っ」

いつも以上にボサボサの髪の毛に、
ボロボロのスウェット姿で
部屋の隅で毛布を被っていて。

近づいて気づくテレビの音のデカさに
耳が痛くなる。

テレビを消してもこちらを見る様子は無くて
ただひたすらに震えていて。

こんなリリー、見た事あらへん…。

盛「分かるか、盛山や」

リ「 …ｯ、もりしっ… 」

やつれた顔のリリーに
ただ事ではないと、

何も聞かなくても、そう思った。

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