しおりが綴る二人の恋 BH-2 (ページ44)

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BH｢なっ、もうびっくりした〜(笑)!｣

気まずそうに苦笑いするベクくん
ポタ、ポタ、というシンクに蛇口の水滴が落ちる音が響いた

｢…私、｣

BH｢ん?｣

｢ギョンスくんみたいに…空気感じとって、傷ついてる人に的確に寄り添えるような能力が無いから…｣

BH｢あー、あいつすげぇよな…無言でもちゃんと心配してくれてんだろなって分かるし実際それで十分励まされるし(笑)

でもさ、Aいつも俺が傷ついたとき癒してくれてるよ、?｣

｢…ちがう、ほんとは…自分がどうするべきか、わかってない…

だから…お節介でも、…それでベクくんの傷口に塩塗っちゃうことになっても、…どうしたのって聞くことしか出来ない、から…

…ベクくん、”どうしたの”…?｣

聞いちゃダメなこともあるから、とか、そっとしておいてほしいかも、とか…実際そうかもしれない。理想としては、”何も聞かずにそばにいる”ことができたら…それで十分励ますことが出来るだけの人徳が私にあったら、もっとベクくんのこと支えられるのに…

でも、それでベクくんの心の傷を全部受け止められる自信が無い。だから…私は私の方法で、全力で受け止めに行くしかない

BH｢…A、｣

｢ひゃ、っ(汗)｣

ベクくんがムニッと私の鼻をつまんで、くすくす笑って

ふぅ…とため息をつくと、ポスッと私の方に顔をうずめた

BH｢”しか”じゃないよ…それがどれだけ俺に力くれてると思ってんの…^^*｣

｢…っ聞いても、いい…?｣

BH｢俺が聞いてもらう側なのに(苦笑)

…うん、A聞いて?｣

こくん、と頷くと、

BH｢昼間…Aが酷い目に遭ったの、俺のせいでもあるんだ…

実は…あのときどうしてもAに言えなかったことがあって｣

｢あのとき…?｣

BH｢文化祭のとき。Aに…嫌われたくなかった、から…でも言わなきゃ、｣

少し震えてるベクくんの手。…さっきまで、一生懸命私を摩ってくれてた優しい手。

その手に自分のを重ねて、震えが止まるようにぎゅうっと力を込めると、少し潤んだ瞳で見つめられた

｢…いいの、…私が”どうしたの”って聞いても…ベクくんが、どうしても言うの辛かったら、”言いたくない”でいいの…

でも…言ってくれたら…絶対受け止める。

心から信用してるから…大好きだから、たとえ何を言われても、私はベクくんを嫌いになったりしない…信じて、、?｣

BH｢…っ｣

ふぅ…と息をつくと、私の目を真っ直ぐ見て話し始めてくれた