しおりが綴る二人の恋 BH-2 (ページ37)

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＊87-KS- ページ37

KSside

BH｢いでっ(泣)!!｣

KS｢ほんとに、これでも親友?こんな茶番すら見抜けないなんてね、呆れた｣

BH｢…え…?｣

KS｢はぁ…ベクの好きな子って分かってる状態で出会ってんだから、今更奪いに行くわけないでしょ｣

しばらく前を向いたまま固まって、徐々に表情が輝いていくのがわかった。

BH｢な、なんだよ〜(笑)!!びっくりした…っあぁほんとに良かった…｣

本気で傷ついてたのか、何度も胸を摩ってる。…なぁ、分かってる?Aちゃんのこと手放したら、お前の苦しみこんなもので済まないんだよ…?

今度は、安心してグテンと寄りかかってくるベクの耳を思いっきり引っ張った

BH｢いでぇ(泣)!!なんだよさっきから!｣

KS｢もっと自分のこと大事にしないと…ほんとに壊れるよ、｣

BH｢…っ、｣

KS｢いつもそうやって誰かのために大事なもの手放して…もう前みたいにボロボロのベク見るの嫌だ

今度こそ…Aちゃん以外なら、誰を傷つける結果になったとしても。絶対に手放すなよ｣

BH｢誰を傷つけてもって…大袈裟だなぁ(苦笑)｣

KS｢実際その役をベクばっかりが引き受けてきたから言ってるんだよ｣

BH｢別に俺は…そんな出来たやつじゃねぇよ、(苦笑)｣

…身に覚えがあるから瞳が震えてるんだろ、

お前はあまりにも優しすぎるんだ。

KS｢本気で言ってるんだよ。

…もうそろそろ自分の幸せに必死になれよ｣

じっと静かに水面を見つめてるベク。最初こそ珍しいと思ったものの…こっちが本物かも、なんて

いつも無理してまでムードメーカーの役割引き受けて…本当は真面目で繊細で、誰よりも傷つきやすい。一人で泣いちゃうタイプの人間。

KS｢ベクにはAちゃんみたいな人、絶対必要だよ。…ただでさえお前は他人のためばっかりの人間だから。｣

BH｢…ギョンスが俺の事褒めるなんて珍しいな(苦笑)｣

KS｢…これでもかなり尊敬してるよ、

ベクは偉いよ。だから…頼むから幸せになって、｣

それ以上は何も言わず、丁寧に頭皮マッサージを進めてやった。小さくありがとうと聞こえた以外は、ベクも何も言わなかった。

Aちゃんがどれだけお前を好きか…俺がアタックしたところで、さっきベクに抱き締められた時ほど安心しきった表情は見られないよって伝えてやろうかと思ったけど…

キッチンから漂ってきた美味しそうな香りに気付いたら、彼女の愛の深さなんてすぐ分かるだろうから、やっぱり教えてやんない。