しおりが綴る二人の恋 BH-2 (ページ35)

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＊85-BH- ページ35

BHside

(カポーン…)

温かいお湯に漬かって、ふぅ…と息をつく。冷えた身体に熱が染み渡ってく…冷たすぎてもはや痛いくらいだったな、雨。けどあれは全然苦痛じゃなかった。

涙目のAちゃんを腕に包み込んだ時…不謹慎だけど可愛すぎた。俺に頼ってくれてることがありがたかった。顔を見た瞬間にほっとしてくれたのが嬉しかった。

だけど同時に…心配だ、すごく。前も今日も、凄い怯え様だった。ギョンスの言う通り、いつも遠慮しすぎなAちゃんがあんなになるなんて…

”離れたくない””1人は嫌だ”…そんな気持ちが痛いほどよく伝わってきて。それは俺にも覚えのある感情だったから…そんな状態のAちゃんを後回しになんてできるわけがなかった。

KS｢ベク、タオル出しとくから｣

BH｢おお、サンキュ!!…ギョンス、久しぶりに髪洗ってよ(笑)｣

KS｢…はぁ、何で僕が…(呆)｣

呆れ顔でガラガラと扉を開けるギョンス。文句を言いつつ裾をまくってくれてる。

前にカフェのバイトで手を少し切っちゃった時、毎日通って髪を洗ってくれたっけ。
…不安な気持ちになるとつい甘えたくなる、何も言わずに甘えさせてくれるギョンスはさすが親友って感じがする

KS｢ほら、頭こっちに出してよ｣

BH｢ん〜ありがと、｣

(わしゃわしゃ…)

ギョンスが俺の髪を泡立てる音だけが風呂場に響き渡る。…無言でも気まずくないのがこいつの凄いところ、なんて思ってたらおもむろにギョンスが喋りだした。

KS｢…あとごめん、やましい気は無いんだけどあんまり震えてたから心配で…｣

ああ…Aちゃんの手握ってたことね^^;
…たしかにちょっとお似合いにも見えてグサッとは来たけどさ←

BH｢いいよ、Aちゃんのためなら俺のヤキモチくらい(笑)
むしろありがとな、｣

KS｢…お前は人が良すぎるよ、…誰かに譲ったりしないだろうな｣

BH｢はぁ(笑)?…譲れるわけないでしょ、、｣

俺が誰かのために出来ることがあるなら何でもしてあげたい。でも…誰に何て言われようとAちゃんだけは…だめなの、奪われたら俺が俺でいられなくなる…

譲”ら”ないというより、譲”れ”ないんだ。

でも…ギョンスの次の言葉に、俺はグラッと目眩がする気分がした。

KS｢…でも…初めてかな、ここまで女の子と話してて楽しいと思ったのは｣

BH｢…は、?｣