しおりが綴る二人の恋 BH-2 (ページ29)

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あれからベッキョンくんはすっかり回復してくれて、恋人になってからかれこれ半月が過ぎた。

いつもより早く読み終わった小説…もう返しに行こうかな、ベッキョンくん今日も図書館のバイトだって言ってたし…

なんて考えながら書きかけのレポートのペンを進めていると、テレビのニュース番組で天気予報が始まった。

『朝は晴れていましたが、昼終わりに急に雨が降る可能性があり…』

そっか…今外出してる人、きっと傘持ってない人多いんだろな…

なんて考えて、ピタッとペンが止まる。…ベッキョンくんも傘、持ってないかも…

そう考えた時には、もう身体は動き出してた。鞄にレポートと図書館の本を詰め込んで、

｢お父さん…!傘、借りていいかな…?｣

父｢ん?いいけど…?｣

｢ありがとう、っ!｣

2本の傘を腕に抱えて、急ぎ足で図書館に向かった。

BH｢(小声)お預かりしま……えっ!?｣

ぱぁあっと音が鳴るほどに、キラッキラの笑顔で迎えてくれるベッキョンくん。

BH｢(小声)今日は来ない日だと思ってたから嬉しいなぁ〜

…あれ、誰かと来たの?
そ、それ…お、男物…!!?｣

くりっとした一重まぶたが見つめる先を辿ると、私の腕にかけられている2本の傘。1本は薄ピンク色で、もう一本は紺色。

｢(小声)ベッキョンくん、その…傘、持ってる…?｣

BH｢(小声)へ?いや、持ってきてない…雨降ってんだ!?｣

おおげさにあちゃーって顔をしてポンと額を叩くベッキョンくんに、つい笑ってしまう。

｢(小声)良かった…これ、置いておくね…?｣

周りの人の迷惑にならないように、そぉっとカウンターの裏に傘を入れ込むと、

BH｢(小声)え…っわざわざ俺のために持ってきてくれたの…!

あぁありがとっ!嬉しいわ〜男物だって一瞬ドキッとした自分を殴ってやりたいくらい、もうほんとAちゃんったらぁ〜このこの♡｣

肘でクイクイっとしてくるベッキョンくんが面白くて、また笑っちゃって…やっぱりベッキョンくんといるとずっと笑ってる自分がいる。

BH｢(小声)おっ、今日のしおりは…へぇ〜あの映画見たんだ!面白かった?…へへ、そっか〜俺も見よっと^^*ほい、これ貸出しの方の本ね♪

じゃあ返却の方は俺が処理しとくね、Aちゃんまだここにいる?…ん、分かった^^*じゃあ後でね、｣

いつも通りしおりを挟みながらこちらに目配せしてくれるベッキョンくんに頷いて、共有スペースでベッキョンくんを待つことにした。