しおりが綴る二人の恋 BH-2 (ページ1)

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BHside

Aちゃんを送る帰り道。

本当は、ここでAちゃん来月にある俺達のサークルのライブに誘おうと思ってた。

でも…今日は必要以上に緊張させたし怖がらせてしまったし…とても言い出せなくなってしまって

さっきAちゃんに今日のことを謝ったら、俺を安心させようと一生懸命微笑みかけてくれて

その仏様みたいな優しい笑顔に俺の気持ちはすごく救われたけど、その分余計に申し訳なさが募って躊躇いになって、それが喉まででかかった言葉ををせきとめる。

(ピタ、)

BH｢ん…??｣

急に立ち止まったAちゃんが、じっと俺を見つめる。

…あ、俺笑えてなかった…心配させちゃってるんだなきっと、

BH｢どうしたの、もう暗いからストーカーって言われてでもちゃんと家まで送り届けるからねっ(笑)｣

テンパる頭で必死に冗談を言って、笑顔を向ける。…今日は絶対、Aちゃんに楽しんでもらいたい日だったんだから…一日の締めくらい全力で元気だそう。

でも…Aちゃんはむしろ心配そうな顔をする

｢あ、りがとう…だけど、大丈、夫…?｣

BH｢え、??｣

｢そ、その…っ無理、してる…みたい、だから…｣

そこまで言って、緊張しきった顔を隠すように俯いたAちゃん。

…そっか、Aちゃんにはなんでも分かっちゃうんだ
いや、"分かっちゃう"というよりは"分かろうとしてくれる"のか。

俺が無理してないか、いつも気にかけてくれてんだ…だからいつもすぐに気づいて温かい優しさをくれて…

人前でなんか絶対泣くもんかって思ってたけど…Aちゃんの前では、ずっとはりつめさせてた心が優しく絆されて、安心で涙腺がゆるんでしまった

"Aちゃんの傍"が、俺にとって無くてはならない居場所の1つになってるんじゃないかって思う。

BH｢…ひひっ(笑)｣

｢…!!｣

やっと気分が落ち着いて心からの笑いが出ると、
不思議そうにするでもなく、ほっとしたように微笑んだAちゃん

その優しい笑顔がギュンって音を立てて俺の心臓に突き刺さった気がして

ああ…やばいな、

もう俺…この先も傍にいてくれなきゃどうしていいかわかんないくらい、Aちゃんのこと好きだわ