甘いモノが嫌いな彼女。 (ページ10)

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そんな彼女を見て、俺も一口カフェラテを飲んだ。

「ねぇ、苦くないの？」

表情を一つも変えずにコーヒーを飲む彼女に尋ねる。

「苦くないです」
「へー、凄い。ブラック飲めるなんて」

甘めが好きな俺には相当考えられなかった。

「カフェラテとか飲まないの？」
「嫌いです」
「え、何で」
「甘いから」
「甘いの嫌いなの？」
「嫌いです」

そして少し間が空いてからまた口を開いた。

「甘い食べ物、甘い飲み物、甘い香り...言葉... 顔... 全部嫌いです」

彼女はそう言うとコーヒーを一口飲んだ。

「どうして嫌いなの？」
「..... 嫌いだからです」
「何その理由」

思わずぷっと笑ってしまい、チラリと彼女を見るとまた睨んでる。

「ごめんごめん」

そう謝ると睨むのをやめて真顔に戻る。

「え、じゃあさ。ケーキは？」
「嫌いです」
「え！？女の子なのに！？」
「そのこじ付け的な物も嫌いです」

さっきから嫌い嫌いしか言わない彼女。

「ねぇ、好きな物ないの？」
「物は無いです」
「物はない？？どういう事？」
「これってあなたに教える必要あります？」
「あります」
「ないですね」

俺は彼女と距離を縮めたいのにどうしても縮めさせてくれない。
どうしてだ。

「えー、なんでー」
「嫌だからです」
「そんなに俺嫌？」
「はい、嫌です」
「うわー、流石にポジティブべっちゃんでもそんなストレート傷付くー！」

なんて言ったらまあ目で煩いと訴えてきた。

「ねぇねぇ、敬語やめよ？」
「いえ、遠慮します」
「同い年だよ？」
「そうなんですか？中学生かと」

なんて冗談言うから、ちょっとビックリした。

「中学生があそこにいる訳ないじゃん！」
「はいはい」
「あ、そうだ！自己紹介しよ！」
「もう名前知ってますから大丈夫です」
「えーっと、俺は情報学部1年のビョンベッキョン！」
「あの聞いてました？」
「次はAちゃんだよ」

すると深くため息をした彼女。

「.... 芸術学部1年、クォンA」
「へー、苗字クォンなんだね。あー、クォンって感じ！」
「はい？」
「Aちゃんは芸術学部の絵を専攻してるの？」
「.... まあ、はい。」
「じゃあ絵上手いんだね」
「別にそれ程じゃないですけど」
「いやー、凄いよね！絵描けるなんて。俺棒人間しか描けないよ？」

なんて彼女とずっと話しをした。
まあ、一方的に俺が口を開いてただけだったが。

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