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「こっち来ますよ」
そう言う彼女の手をパッと掴み、走り出す。
「逃げるよ！」
チャニョルから逃げる理由？
まあ、チャニョルはルックスがいいから静かにしてればモテる訳で、彼女がチャニョルを見てもし... もしの場合があったら困るからと、チャニョルが面倒だからだ。
「ちょっと！」
俺の後ろでそう言う彼女。
「何処行くんですか！」
「わかんない！」
「はぁ？」
取り敢えず走って大学から出る。
「ちょっと！ビョンベッキョン！！」
急に名前を呼ばれたものだから思わずブレーキを掛けると勢いでドンッと彼女がぶつかってくる。
「あ、ごめん」
「ごめんじゃないですよ。何なんですか」
「いや、別に何でも...」
彼女は息を切らしながら髪を整えて俺を睨む。
そんな姿を見て可愛いなんて思う俺。
辺りをキョロキョロしているとチラリと向こうの方に見えたお店。
多分カフェだろう。
「あ、カフェ行かない？」
「行かないです」
「よし、行こう！」
「だから...」
また彼女の腕を掴み歩き出す。
後ろから強い視線、いや多分睨んでるんだろうが... 感じるが気にせず歩き続けた。
カフェに近付くと遠くからは分からなかったがオシャレなカフェで、中に入るとこのカフェにピッタリな洋楽がかかっていた。
「Aちゃん何飲む？」
「帰ります」
そう言うと思ってガッチリ腕を掴んでいる。
「コーヒー？」
「あの、聞いてました？」
「すみません、コーヒーとカフェラテください」
レジに立っていた店員さんにそう伝えてはお金を払う。
そしてレシートと一緒に呼び出し機を受け取り窓際の席に向かい彼女を座らせる。
俺はそんな彼女の向かい側に座る。
「帰ります」
俺が手を離したと思えば立ち上がるから無理矢理座らせる。
「だめー」
するとまた俺を睨む。
「あんまりそうやって睨むと眉間にシワできちゃうよ？」
「余計なお世話です」
そんな時、手元に置いていた呼び出し機がブーッブーッと鳴る。
俺は立ち上がり、カウンターに取りに行った。
「はい、コーヒー」
テーブルにトレーを置き、コーヒーが入ったマグカップを差し出すと小さく”ありがとうございます”と言った彼女。
思わず笑ってしまいそうになる。
「ミルクか砂糖いる？」
「いえ、大丈夫です」
彼女は湯気が出ているコーヒーをそのまま一口飲んだのだった。
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作者名：IRENE | 作成日時：2017年3月14日 21時
