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「ねぇ、よかったらお詫びにコーヒーでも奢るよ！」
そう言うと彼女はパッと作業を止めて俺を見る。
「結構です」
そしてキッパリと断ってきた。
これには予想外で目が点になる。
後ろにいるジョンデは必死に笑いを堪える。
「んー、じゃあジュース？」
「結構です」
彼女はさっさと片付けてパッと立ち上がる。
そしてチラッと俺を見てはその後、ジョンデを見る。
「じゃあ」
「んー、また後でね」
とジョンデにだけ声を掛けて行ってしまった。
「え、嘘だろ。俺は！？」
「いや、面白かった。断れ続けるベッキョン」
なんて言いながらケラケラ笑うジョンデ。
「なんか... え、なんだろ。イメージと違いすぎる」
「知らないよ」
けど何だか余計に興味が湧く。
「ほら、行くぞ食堂。チャニョラ待ってんじゃない？」
「どうせドラマ観てるだろ」
美術室を出てジョンデと2人で食堂に向かう。
そんな行く先、ふとバルコニーに居る彼女の姿見えた。
何してるんだろう。と気になった。
「あ、ジョンデ先行ってて」
「はいよー」
そうジョンデに伝えて俺はバルコニーに方向転換する。
なるべく静かにバルコニーに入りチラリと彼女を見る。
「.....？」
彼女は肘をついてボーっとしている。
日向ぼっこだろうか。
まあ、確かに日向ぼっこをするにしては最適な天気だ。
そんな時、少し強めの風が吹き彼女の髪がふわりと流れる。
「..... 」
彼女はゆっくり目を閉じそして開く。
そして彼女は小さくボソッと呟いた。
「..... ハン」
最初の方何を言ったのかは聞こえなかったが確かに何かを呟いた。
そう呟いた彼女の表情は何だか悲しげで、どうしてそんな表情をしているのかが気になった。
それから俺は静かにジョンデとチャニョルが待つ食堂に向かった。
何だか声を掛けたらダメなような気がしたから。
「ベッキョナ？」
「......ん？」
「ん？じゃないし。何、さっきからボーっとして」
「あー、いや別に」
「あれか。Aちゃんに断られてショック受けとんか」
「.... 強ち違うとは言えないかも」
飯を食ってる最中も、何だかさっきの彼女の表情が頭に焼き付いて離れない。
何かあったのだろうか。
そう気になる一方で、どうしたら彼女と話せるようになるだろう。
どうしたら仲良くなれるだろう。
そんな事しか考えてなかった。
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作者名：IRENE | 作成日時：2017年3月14日 21時
