バツイチ女の恋事情。 (ページ44)

今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:547,869 hit

EP44. 自分に呆れる CY ページ44

俺を通り越してAはスタスタと歩いて行ってしまった。

半分の衣装を手にしてる俺はAが向かっついるであろう控え室に向かった。

ガチャッ

ドアを開け部屋に入ると彼女はソファーに座ってこちらを見ていた。

『衣装どうしたらいい？』

「あ... そこ置いといて」

『ん、わかった』

言われた通りにその場所に衣装を置いた。

すると彼女は立ち上がり衣装を整理し始めた。

衣装も届けたし部屋を出ようかな... と思ったけど、何故か気が進まない。

そして落ち着かない。

俺はテーブルに腰を掛け彼女の背中を眺めた。

『なぁ』

「.... なに」

声を掛けたものの特に意味はなかった。
けど、そんな事言ったら怒られるし...

『... 俺とさ別れた後... 復学したの.....？』

咄嗟に出た言葉はそれだった。
何故だろう...。

ずっと気になってたからだろうか。

「まあ...そうだけど」

『そっか..。夢叶って良かったな』

「...なに急に」

『いやー... ずっと言いたかったんだけどなかなか言えなかったからさ...』

そう。ずっと言いたかった。
大切だった君にずっと。

「そう...。」

ここからは彼女の背中しか見えなくて表情が伺えない。

君はどんな顔してる？
喜んでる？それとも...嫌だった？

嫌だったのなら俺... 萎えるな...。

「チャニョルこそ、夢叶って良かったね...」

耳がピクリと動いた。

だって余りにも突然に言われたからさ...。

『おう。サンキュー』

表情は見えないけど、そう言ってもらえて嬉しかった。

けど話題が途切れ沈黙になってしまった。

頭の中は沈黙になってしまった事でサイレンが鳴っている。

何を話せばいいんだって。

今思えば俺らが付き合ってる時何を話してたんだろう。
いつも喋っては笑って沈黙の記憶なんて全然無い。

とりあえず沈黙から抜け出したくて声を掛けた。

『あのs... 「ごめん、行くね」

『あ、うん』

けど彼女は控え室を出て行ってしまった。

『はぁ... なに緊張してんだパクチャニョル...』

自分で自分に呆れ返る。

Buuu....Buuu...

そんな時、携帯の着信音が部屋に鳴り響いた。

しかしその音は俺の携帯とは違う音。

辺りを見回し携帯を探す。

『あ』

ソファーにあった見覚えのある携帯を見つけた。

.