バツイチ女の恋事情。 (ページ26)

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EP26. 惨めな自分 CY ページ26

床に落ちた紙を拾う。

そして紙の表の方を見た。

『なんだよこれ....』

俺は目を疑った。

だって俺が手に持っていた紙は何処からどう見ても...

超音波検査の写真だったからだ。

『.... 子どもが居たってこと...？』

俺は何も知らなかった。
Aが妊娠していた事も...。

おろしたのか流産したのか分からないけど...
子どもが居なくなったって事も....。

余りにも衝撃に頭が真っ白でなにも考えられない...。

写真の右端下にはその日の日付があった。

”2012/ 1 / 13”

『2012年...』

結婚して1年を過ぎたぐらいだった。

なぜ俺は気付けなかったのか...。

後悔と惨めな自分に対する苛立ちが押し寄せてきた。

Pululululu...

リビングの方から聞こえてくる電話の着信音。

部屋から出て受話器を取った。

『もしもし』

「あ....まだ家に居たんだ...」

電話はAからだった。

『まだ居たんだじゃねぇよ』

なぜかさっきの事での苛立ちをAにぶつけてしまう俺...。

『お前が現れてから碌な事起きない』

Aはなにも悪くないのにこういう対応しか出来ない俺。

「.....」

なんて惨めなんだろう。

本当はなぜ隠してたのか...どうして言ってくれなかったのか聞きたい事がたくさんあるのに..。

『はぁ..。まあ言ってもきりないから..取りあえず今から事務所行く』

「わかった」

ツーッツーッと電話が切れた音がなり受話器を置いた。

『はぁ...』

服を着替え、仕事に行く支度をし部屋に戻った。

鍵と財布。
マスクを身に付け帽子を被り家を出た。

ポケットにはあの写真を入れて.....。

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