バツイチ女の恋事情。 (ページ21)

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EP21. 悪夢 CY ページ21

トイレから戻るとふと目に入った光景。

『ったくあいつ...』

案の定、Aは酔い潰れてテーブルにうつ伏せになっていた。

俺は彼女に近づく。

『おい』

頭をツンツンとしてみるものの...

「んーっ....」

起きない。

その時、彼女が右手に持っていた携帯が目に入る。
画面は通話中になっていて”オッパ”と表示されていた。

俺はその携帯を手に取った。

『やぁ！！A！！おーい！！』

電話の向こうから聞こえてくる男の人の声。
俺はその電話に出た。

『もしも...』

耳にはツーッツーッと電話が切れた音がした。

『.... さすがヒョン...』

携帯をAの鞄の中に入れ、Aを起こす。

『おい、起きろ。ここで寝るなよ』

すると急にニョキっと起き上がったA。
そしてふにゃっと俺の方を向いて笑ってくる。

「あ～チャニョルだ～。私の元だんn.....」

俺は慌ててAの口を押さえた。
こんな大勢の前で暴露されると困る。
酔ってるAは危険だ。
前々から分かっているものの改めて確信した。

『ジョンテ、俺帰るわ』

『あ、ほんま？気をつけて帰りいや？』

持ってきた携帯と財布。
帽子をかぶりマスクをつける。
そしてAの荷物を持った。

『帰るぞ』

「えーっ」

酔ってフラフラになっているAを支えながら店から出てタクシーを捕まえた。

タクシーに乗り込むなり酔っ払ったAから住所を聞き出し彼女の自宅まで向かった。

多分彼女の住んでるマンションであろう。
マンションの前に止まったタクシー。

お金を払い荷物とAを担ぎタクシーから降りた。

その途端

『おい！座り込むなよ！』

地面に座り込んだA。

『立てよ』

腕を引っ張って立たせようとすると

「やだやだ！やーだ！」

5歳児のように駄々をこね出した。

今は夜中の12時。

こんなマンションの前で駄々をこねられたら目立つし、なんせ俺は目立ったら色々とまずい。

Aを無理やり背中に乗せマンションに入ろうとした。

その時だった。

「オエッ」

『......』

これは悪夢だ。

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