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朝になり、身支度をして家を出る。
今日は少しだけ緊張している、
それを感じているかように春には似合わない寒くてちょっぴり痛い風が頬に触る。
1年の終わりに提出した作品の優秀作品の発表だ。
それぞれの専攻の上位3人が大学の美術展に出展される。
洸希には先に学校に行く と伝えて今日は少しだけ早く家を出た。
学校に着くと掲示板の前には人集りができていて、
後ろの方からそっと貼られている紙を覗いた。
そこには成績優秀者として2番目にわたしの名前が載っていた。
「よし。」と心の中で安心のガッツポーズ。
そして1番成績がよかった1位の人を見るとその名前は聞き覚えのある名前だった。
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「しばざきらく…」って………。
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とあたりをきょろきょろ見回して彼の姿を探す。
けれど彼の姿はなくて、向こうの方から洸希が走ってくる姿が見えた。
洸希も心配して早く来てくれたみたいで、
「どうだった?」
と洸希は息を切らしながら眉間にシワを寄せて心配そうにわたしをみる。
「あったよ、名前。」
とにっこり笑ってみせると
「そっか〜!よかった〜〜サキ頑張ってたもんな!」
とわたしよりも喜んでいた。
「あ〜あと、サキ、今日はこの間言ったコンサートの打ち合わせあるから一緒に帰れないんだ、ごめんな。」
と手を合わせてわたしに言った。
「うん、わかった。頑張ってね、」
「うん、サキも頑張れよ!じゃあまた」
と手を振って音楽校舎へと歩いていった。
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作者名:すめる | 作成日時:2019年1月18日 23時