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わたしの専攻は油絵。
昔から絵が好きで中学のときも美術部だった。
あまり学校は好きではなかったけれど部活の時間が好きだから学校へ行っていた。
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あの日が来るまでは。
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1時間目はデッサンの授業。
花瓶にさしてあるアネモネの花をデッサンする。
わたしはお花や植物をデッサンするのが好きだ。
お花を育てるのが好きだったし、
お花に今日の調子を聞いたり…
切り花だから数日後はしおれてしまうのだけれど。
でも、今日はなんだか集中出来なくて、
同じ油絵専攻の友達に大丈夫?
と言われてしまった。
先生の話もなにも頭に入ってくるわけでもなくぼーっと聞いていた。
そんな感じで今日の学校は終わった。
待ってくてれていた洸希と一緒に帰路につく。
「………ねぇ、サキ。ねぇ〜聞いてる?」
と洸希はわたしの顔を覗き込む。
「あ、あぁ、ごめん、なんだっけ?」
「なんだよサキ今日ぼーっとしてるよ、まだ治ってないんじゃないの?大丈夫?」
いやあ友達のさ〜と洸希はまた今日あった出来事を話す。
「彪馬と僕にコンサート出演依頼が来たんだ。サキもよかった来ない?」
と嬉しそうに洸希は話す。
彪馬くんは洸希のお友達で専攻はサックス。
BARで演奏するアルバイトをしていたりするらしい…会ったことは無いけれど。
「もちろん行くよ。いつ?」
「6月!楽しみだなあ。」
と洸希は今日いちばんの笑顔を見せた。
そんな話をしているとわたし達の家に着いた。
今はひとり暮らしでアパート住みだけど、洸希のお母さんが
サキちゃんがいれば洸希も寂しくないわ!
って、同じアパートの隣同士だ。
「じゃあね。」
「うんまた明日。」
と部屋のドアノブを引きお互いの家に入ってゆっくりとドアを閉めた。
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作者名:すめる | 作成日時:2019年1月18日 23時