159 ページ14
「…はぁ、、」
ため息をついて、椅子に座り直す。
そしてさっき話した内容を反芻する。
＿＿＿＿
KJ「まさか、Aがここに居るなんて思わなかったよ。元気だった？」
「うん、オッパは？」
KJ「もちろん元気だったよ。
…それよりA、どうしてここにいるのか教えてくれる？」
「……もう、カメラの前に出れなくて、」
KJ「うん、……あの子が亡くなってもう2年も過ぎたのか…」
「…塞ぎ込んでた私に、お父さんがここに知り合いがいるから紹介していたみたいで。私もどうにかして女優業から離れたかったから……」
KJ「…そうだったのか。辛かったな…」
そう言って、頭を撫でてくるオッパ。
……触んないで
なんて、言える訳もなく。
「…私が日本で女優してたってこと誰にも言わないでね」
KJ「うん、約束するよ。あ、そうだこれ」
そう言って机に置いたのは、個装されたいくつかのクッキー。
″Pesca″
恐らく店名であろうその文字が袋に書かれている。
KJ「この店のクッキー好きだったでしょ？」
「そうだったっけ…？」
KJ「ははっ、小さい時だったから覚えてないかな？韓国から日本に戻ってきた時は、必ずこれを買ってAに会いに行ってたんだよ」
「そういえば、そうだったかも……」
確かに、ジュヨンオッパは必ず何か持って私に逢いに来てくれていた。
それにしてもこの店名…、何か見た気がするんだけどな…。どこで見たんだろう？
曖昧な記憶を辿っていると、ジュヨンオッパがこちらを見つめて話し出す。
KJ「辛いかもしれないけど、俺がいるから」
「……」
KJ「今度のユキヒロさんの三回忌は必ず行くよ。そして、ユキヒロさんとの約束を果たさないと」
「約束？」
KJ「うん。まだAには内緒だけどね」
「そっか」
KJ「じゃあ、僕は行くよ。またね」
＿＿＿＿
約束って何？
いつ、お父さんと約束なんてしたの？
「…もう、分かんない…」
本当にジュヨンオッパが、お父さんを殺そうとした犯人？本当にただの事故だったんじゃない？
いくら考えても答えが出るはずもない。
「…戻らなきゃ」
もうお昼過ぎてるし、みんなの所に行かないと。
……きっと心配してる。
そう思って部屋を出る。
＿＿だけど、まさかこの日からたった2日後にジュヨンオッパの思惑を知ることになるなんて思わなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 457人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「NCT」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
waka(プロフ) - 続きがめっちゃ気になります😵 (2021年10月22日 0時) (
レス) @page39 id: 192bfaab8b (このIDを非表示/違反報告)
waka(プロフ) - トントン誰ぇぇぇぇ😱 (2021年10月19日 18時) (レス) @page37 id: 192bfaab8b (このIDを非表示/違反報告)
мoмi(プロフ) - wakaさん» コメントありがとうございます！ぜひ楽しんでいってくださいね〜。だんだんと事件の真相が明らかになってきますので…！ (2021年10月19日 15時) (レス) id: f57a143d4b (このIDを非表示/違反報告)
waka(プロフ) - うぉーーーー！！！?は誰なんだァァァ 続きが楽しみ (2021年9月6日 20時) (レス) id: 192bfaab8b (このIDを非表示/違反報告)
мoмi(プロフ) - みなみさん» ありがとうございます！もちろん更新しますよ。物語も終盤になってきました。ゆっくりな更新になりますが最後までぜひお付き合いください！ (2021年9月6日 16時) (レス) id: f57a143d4b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：мoмi | 作成日時：2021年3月24日 11時
