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「…すみません、」
「いいのよ！！まだ若いんだから、無理しないで？」
そう言って微笑むオンニに、笑顔を作る。
だけど、自分でもわかるほどその笑みは引きつっていた。そんな私に眉をひそめながら、医務室まで付き添ってくれるオンニ。
「ほら、ここでしばらく横になってなさい」
「ありがとうございます…」
「無理しないのよ？いつでもオンニを頼っていいからね」
「……はい、」
そう言うと、オンニは笑顔で部屋を出ていった。
完全に閉まった扉を見て、ふぅ、と息を吐く。
そして、ガンガンと痛む頭をどうにかして回転させる。
__カン·ジュヨン。
私が中学生の時頃にお父さんの作曲仲間になって、一緒に音楽を作っていた。
たまに作業室に遊びに来た私に、韓国語を教えてくれて、とても優しかった。
……だから、今でも信じられないんだ。
ジュヨンオッパが、お父さんを殺そうとしたなんて。
警察の調べではオッパが犯人だという証拠は出てこなかった。だけど、詳しく調べていくうちに車に微かな細工がしてあり事故を起こしやすくなっていたこと、お父さん以外で最後にお父さんの車に乗ったのはジュヨンオッパだということ。車同士でぶつかったのに、自分だけが無傷だったこと。
そして、慰謝料を払うと、さっさと国外へ逃げたこと。
色々なことが重なり、警察のなかではカン·ジュヨンが故意的に事故を起こしたのではないか、という見解が広がっていた。
だけど、相手が韓国人ということもあってからか、強引に話を聞くわけにもいかず、そのまま時間だけが過ぎていったのだ。
「………どうしたら、いい？」
絶対に許さない、そう思って韓国に来たのに。
いざ、その事態に直面するとなれば、体が勝手に震えて、心が頭に追いつかない。
「………っ、」
シーンとした部屋に1人。
…1人ってこんなに、心細かったっけ……？
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作者名：мoмi | 作成日時：2020年7月18日 11時
