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＿＿＿
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カチッと針が動き、長針と短針が重なり合うのをぼんやりと眺める。
それと同時に携帯が光り、日本の友達や事務所の先輩後輩達など、たくさんの誕生日おめでとうのメッセージが来る。
もちろんその中には家族からもある。
毎年祝ってくれるみんな。……でも、今年はいつもと違う。
もう、お父さんがいない。一生懸命歌を歌ったり手紙を書いてくれる妹もいない。
たくさんのお祝いメッセージは嬉しいはずなのに、それと対照的にキリキリ傷む心。
あの子の誕生日を祝うことはもう出来ないのに、私が祝ってもらう資格なんて、あるわけない。
メッセージに既読をつける気も起きず、そのまま電源を切る。
目を閉じればあの光景が浮かんできて、どうしても今日は寝れなさそうだ。
っほんとに、弱いなぁ…………。
＿＿ピピッ、ピピッ
…結局、一睡もせずに夜が明けてしまった。
いつものように起きる時間を知らせる時計のアラームを止めて、重たい体を動かす。
鏡を見ると、充血した目に酷いくま。
これ、いつもの化粧で隠せるかな…。
『……苦いコーヒーでも買っていこうかな。』
＿＿＿＿＿
会社に着くと、みんなから驚いた顔をされた。
中「…うわっ！すっごい目してるけど、どうしたの…？」
「そんな酷いですかね…？」
瀧「それはやばいわ。女優でもそんなことあるんだな〜。」
中「ちょっと！声大きい！」
＿＿＿”女優”
その単語にさえも、反応してしまう。
……、だめだ。
今日は、ほんとにダメだ。
自分をコントロールできない。
どうしたって、思考が引きずられる。
どうにか、どうにかしないと、、
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作者名：мoмi | 作成日時：2020年7月18日 11時
