なにひとつ消えない君を（JM） (ページ20)

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「やっほー」

やけに高いテンションでいたのはやはりテヒョンさんで、何の用だろう。

『あの、スーパースターがここにいるってバレたら怖いので、とにかく玄関に入ってください』

マスクと帽子はかぶっていたけれど、やっぱり隠しきれてないオーラ。

『何の用ですか？』

私は遊んでるとは言え、簡単に人を家にあげるような事はしない。ジミンですらも、っていうか来ようとしたことすらないけどね。

てことで靴も脱がずに玄関に立っているテヒョンさんに用件を聞く。

「元気じゃないって言ってたから、来た」

『？？はいって言いましたよね』

「うーん、だけどいいえって言ってるように見えたからさ」

『、、、』

「もし本当に何かあった時、頼れるように、距離縮めに来た、って言えばいいかな」

『あ、、、』

この人と一緒にいれば、どんな些細な感情も読まれてしまいそうで、怖い。

「友達になりたくて！」

綺麗な人だなと思った。

私みたいに、自分の感情を隠してばかりで、何も言えない人とは正反対で、

素直で、真っ直ぐで、純粋な人。

だからこそ、少し苦手だな、そう思う。

友達になろうって言われたのが嬉しかったからか、

それとも寂しくて、誰かといたいなって思いが強かったからか、

『上がっていきます？』

普段は言いもしない言葉。

少しおかしいかも、私。