突然の再会。 ページ26
_____
「ヒチョルオッパ…」
「来るのがおせえよ(笑)」
「ど、どうしてここに…」
「久しぶりだな」
オッパのその意地悪な笑顔が、相変わらずすぎて。
「人の顔見て泣くな(笑)」
「……だって。」
言葉は優しくないけれど。
私を見つめるオッパの瞳はとても優しくて。
「元気そうでよかったよ。」
持っている進行表に、ポタポタと涙がこぼれ落ちた。
「おいA、なんとか言えって(笑)」
何も言えない私の頭を、オッパの優しい手のひらがくしゃっと撫でた。
「なんでいるの…？」
「ははっ」
意地悪なオッパが、すごく優しい顔をして笑った。
「ラーメン食べるついでに、弟たちを見に日本に来たんだよ。
そしたら、お前を見つけた。」
「なによそれ…(笑)」
「ぷはは」
ヒチョルオッパのむちゃくちゃな話に笑った私につられて、オッパも笑った。
「A…」
「…え？」
「あいつ、ずっと気にしてるぞ？」
スッと真顔に戻ったオッパが、じっと私を見つめた。
「そう…なんだ」
「なんで連絡しないんだよ」
「うん………オッパ」
「ん？」
「……本当はずっと……心のどこかで釣り合わないって思ってたんだと思う。」
会えない時間に少しずつ、不安になっていったこと。
そして日本で携帯を壊してしまって連絡が取れなくなって…
忙しさもあって、そのまま連絡しないまま今まできてしまったこと…
それがさらに、その気持ちを大きくさせたこと。
「だから…」
「そんなことで…」
「ドンヘくんには…ここにいることは内緒にしてて…？」
ちょっとだけ険しい顔をしたオッパが
前髪をかきあげ、ため息をついて私に言った。
「ドンヘはそんな、会えないくらいで気持ちが変わるようなやつじゃねえよ。
……知ってるだろ？」
「う…ん」
「信じてやれ」
そう言ってヒチョルオッパはまた、私の頭をくしゃりと撫でた。
「じゃあ、またな。」
ひらりと手を振って去っていくヒチョルオッパの後ろ姿にポツリとつぶやいた。
「ありがと………。」
_____
続く
お気に入り登録で更新チェックしよう!
最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している
←踏み出す一歩。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 120人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しおぴー | 作成日時：2015年11月1日 2時
