ヒョンの大切な人。２ (ページ20)

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しばしお別れ。ページ20

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『Aヌナ？』

「うん？」

『手紙…読んだ？』

君からもらった大切な手紙だよ？読まないはずがないでしょ(笑)

「読んだよ、本当にありがとう」

『よかった～！
恥ずかしいんだけど俺…実はファンがくれた手紙読んでてむっちゃ嬉しくって、涙がでてきちゃってさ……』

「そうなんだ…」

『それで…今ヌナにありがとうって言われて、本当に渡してよかったって思った！

また、手紙書くから。ヌナも書いてよ！』

「うん…書くね」

『…Aヌナ泣いてる？！』

ドンへくんの声が大きくなった。

『大丈夫？俺今から…ちょっとしかいらんないけど、ちょっとだけなら…』

「ふふ(笑)」

『………ヌナ？』

「明日の準備とか、ファンからのお手紙読んだりとか色々、忙しいでしょ？

ちょっとの間会えなくなるだけだもん。私は、大丈夫」

そうだよ、私は大丈夫。

電話を切ってから、そっと便せんをコルクボードからはずし、手に取った。

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大好きなAヌナへ。

俺たちしばらく、会えなくなっちゃうね。
とっても寂しいな。

ところでAヌナ、ひまわりの花言葉って知ってる？

《私はあなただけを見つめる》なんだよ。

ひまわりが真っ直ぐ太陽の方を向いて咲いているように、
俺も真っ直ぐAヌナだけを見つめているから。

………

……

…

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そして次の日。

前の日はあんなに、電話を切るのを渋っていたのに。

『いってきます』

電話口から聞こえるドンへくんの声は、とっても男らしくて。

「いってらっしゃい…！」

私たちは、しばしのお別れをした。

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