あなたに花束を。 ページ18
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小走りで戻ると…
目、開けてる(笑)
Aヌナはバッチリ目を開けて待っていた。
「こら」
と、Aヌナの背後から声をかけるとピクッと震えた肩が可愛くて。
目を閉じたのを確認して前に回ると、ヌナのまつげが可愛くて。
「手を出して？」って言われて素直に手を出すヌナが可愛い可愛くて。←
思わず、ヌナの唇にそっと触れるだけのキスをした。
「2年待って」って言ったことをこんなに後悔するとは思わなかった。
俺はまだ、こんなに可愛いAヌナの彼氏でもなんでもないんだから。
なんてことを考えながら、
差し出されたAヌナの手の上に持ってきたものをそっと乗せた。
「わぁ！」
「へへ。Aヌナにプレゼント」
「…ありがとう。これ、買ってきたの？」
「ん。昼間に、たまたま花屋で見かけて…
Aヌナのこと思い出したから」
「ふふ。ドンへくんみたいなひまわりだね」
ひまわりの花束と。
「でしょ？
あと………これも！」
「お手紙？」
「うん。あ、今は読んじゃダメ。」
封筒を開けようとする手をサッとつかみ、ヌナの隣に腰かけた。
「気になるなぁ」
「へへ。後でゆっくり読んで？」
「うん……ドンへくん、ありがとう」
俺はAヌナを、その小さな両手に大切そうに握られた花束と手紙ごと抱き締めた。
「絶対見送りに来ないで」
「どうして？」
俺の腕の中で、もぞもぞとヌナが声を出した。
「泣いちゃうから(笑)」
「うん…わかった。私も泣いちゃうから、行かないでおくね」
「……わかった(笑)」
「元気でね」
「ん………。」
俺は、Aヌナのまぶたに一つ、キスを落としてからギュっと強く抱き締めた。
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作者名：しおぴー | 作成日時：2015年11月1日 2時
