ヒョンの大切な人。２ (ページ12)

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大丈夫、大丈夫。ページ12

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「いつ？」と聞くと寂しそうに「10月…」と答えたドンヘくん。

「そっか…」

「ん………」

ベンチに座り直して、コテンと私の肩に頭を乗せた。

私だって、すごく寂しいのに。

だけど、さっき私に力強く「待っててほしい」って言ったドンヘくんは、もうどこにもいなくて。

「それまでもう少し時間あるから……大丈夫だよ？」

「ん…」

大丈夫、大丈夫。と、ドンヘくんの大きな背中をそっとさすった。

まるで小さな子供だね…

ポンポン。
あ、大きな背中…

こんなに立派な背中なんだもん。
きっと、どんな大変なことも乗り越えられるよ。

なんてボーッと考えていると、スッとドンヘくんが立ち上がった。

「…ドンヘくん？」

つられて立ち上がると、

「Aヌナ」

小さく呟いたドンヘくんにくいっと腕を引かれた。

「好きだよ」

体が、ドンヘくんの腕のなかに収まった。

「………、してもいい？」

えっ？と聞き返す暇もなく、
ドンヘくんは、そっと触れるだけのキスをした。

* * * * *

「わりぃ待たせたな…って、なーににやけてんだよ(笑)」

「へっあっ、ヒチョルオッパ」

よっぽどボーッとしていたのか、ヒチョルオッパが来たことに全く気がついていなかった。

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