【ナツキスバル】失くし物6 ページ8
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驚くことに彼は土地勘がさっぱり無かった。さっきの話ぶりから十分にわかってはいたことだけど、期待していた面もあったので少し残念。
それでも、雑談をしながら二人で道をキョロキョロと探す。
「そういやすげぇ今更だけど、名前聞いてなかったな。俺はナツキスバル!無知蒙昧にして天下不滅の無一文だ。」
「それ、大丈夫……?
私はA。よろしくね」
「覚えたぜ、Aさん!よろしくな!」
「ん……さん付けはこそばゆいから、呼び捨てでいいよ。覚えてくれてありがとう。」
「へへ、女の子を呼び捨てなんて初めてだぜ。じゃあ、今度こそよろしくな、A。」
「うん、よろしく。でも、もし探しもの見つかんなかったら、きりのいいところでお開きにしましょう。あんまり遅くなってもいけないし。」
私がそう言うと、彼は少し訝しげな顔をした。
「どうしたの?」
「いや、さっきからAが探しものを見つけるのを諦めようとしてるような気がして。気のせい?」
「き、気のせいだよ!」
私は、怪訝そうな顔の彼の言葉を遮るようにして、探しものを再開した。
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「思ってたより全然見つかんねぇな……。こりゃ厳しそうだ。街全体も広いし、結構きついぞ……。」
「そうだよね。何かもうちょっと探しやすくなる方法があればいいんだけど…」
悩む傍から、スバルが私に質問をしてきた。
「そーいや、Aは何人家族なんだ?写真の特徴とか分かれば手がかりになるかもしれないし、教えてくんない?」
……あぁ……
「家族は、父と母だけだったよ。」
「…?写真に写ってるのがってことか?」
「そうだね。」
「兄弟とかは?」
「いなかったよ。」
「…なんでさっきから家族の話は過去形なんだ?」
「もういないからだよ。」
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「」(プロフ) - 誰かナツキスバルのゆめしょ書いてよぉ…… (2022年9月24日 22時) (レス) id: 4fb2260fe5 (このIDを非表示/違反報告)
「」(プロフ) - 新しい話ができ次第、前作のエピソードを一つ消す予定です。 (2022年5月21日 15時) (レス) id: 4fb2260fe5 (このIDを非表示/違反報告)
「」(プロフ) - リアルのお仕事が死ぬほど忙しいです。 (2022年5月21日 15時) (レス) id: 4fb2260fe5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:「」 x他1人 | 作成日時:2021年9月15日 8時