【ナツキスバル】夏祭り（少し下ネタ、現代if） ページ45
賑やかな喧騒、屋台の灯りの下で、涼し気な装いをした人だかりは神社の前で騒々としている。日が落ちかけてもなお、まだ少し蒸し暑い。
「夏祭り、久しぶりだね」
カランコロンと下駄が地面を叩く音が暑さを紛らわせる。
Aは、帯をくいっと引いて直すと、微笑みながらスバルを見上げた。
「んあ〜、確かに去年は俺受験生だったしなぁ
レポートとか詰まってて行く暇なかったっけ」
「そうそう、私も前の仕事がちょうどシーズン中で休む暇なくて……
あ、私お腹空いちゃったから焼きそば買って食べたいな」
「さっきりんご飴とかいろいろ食ってなかった？」
「食べてたけどさぁ」
そう頬をふくらかす彼女を、スバルはふっと目を細めて見つめていた。
──────
屋台を見て回っていた二人だったが、唐突にAが歩みを止める。
「ん、どうした？」
「あ、ちょっと帯が緩んできちゃったみたいで……」
「おいおい、裾も踏んじまってないか？これ誰が着付けしたの」
「わ、私が自分で……」
悩ましげに眉間を寄せるスバルは、ふうと息をつく。
「ん〜……お前のそういう人に頼らないようにしようってスタンス、一生懸命で可愛くて好きだけどさ、俺浴衣とか簡単な着付けとかならできるから、手伝いだけでも呼んでくれりゃ……」
言いかけたところで、明らかにむっとしたAに、スバルはあっとAの不機嫌を察して口を噤む。
「たらればの話なんて聞きたくありません。
あ〜……やばい、本格的に緩んできた……」
「どっか人のいないところに行こう。俺が直してやるから」
彼女を連れて人通りを避けて歩く。
むすっとしながらも手を引かれるがままの彼女が言葉を紡ぐ。
「あ、ありがとう……」
「素直でよろしい」
満足げなスバルは再度Aを一瞥する。
歩みを進めるたびに浴衣が緩み、ひどく肌蹴け始めた恋人の装いに、スバルは乾いた唾をごくりと飲み下した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 23人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「オリジナル」関連の作品
この作品が参加のイベント ( イベント作成 )
この作品が参加のイベント 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
「」(プロフ) - 誰かナツキスバルのゆめしょ書いてよぉ…… (2022年9月24日 22時) (
レス) id: 4fb2260fe5 (このIDを非表示/違反報告)
「」(プロフ) - 新しい話ができ次第、前作のエピソードを一つ消す予定です。 (2022年5月21日 15時) (レス) id: 4fb2260fe5 (このIDを非表示/違反報告)
「」(プロフ) - リアルのお仕事が死ぬほど忙しいです。 (2022年5月21日 15時) (レス) id: 4fb2260fe5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：「」 x他1人 | 作成日時：2021年9月15日 8時
