【ナツキスバル】デート2 ページ19
「その人」とあからさまに他人行儀な言葉に、スバルが目を丸くする。
突然かけられた声に女性たちは少し驚くが、声の主が女性であることに気づくと、不満げに眉を顰め、
「あなた誰ですかぁ?妹さん?小さ過ぎて見えなかったぁ。」
「今私たちが話してたんですけど。ちょっとは空気読めるように下してさいね〜。」
「ってかあなたスバル様の何なの?彼女?性格悪そ」
「ええ〜!!こんなペチャパイの何処がいいんですかぁ〜!!」
と、さっきまの態度を急変した。
しかしそれでも、
「私の連れです。変なことをしないで。」
と強めの口調でAは彼女らを追い払おうとした。
しかし、Aの言葉を聞き、激昂した彼女らが更に口汚い言葉を浴びせる。
険悪な空気を察知したスバルは、慌てて彼女らを宥め、その場は収まった。
二人の女性が不機嫌そうに立ち去る背後で、Aもまた不機嫌な表情を隠しきれずにいた。
――――――――――
場面は冒頭へ戻る。
Aは、スバルが絶えず話しかけてくる内容に、耳を傾けるふりをして、ずっと別のことを考えていた。
「(なんで…あのとき二人が言ってた言葉、スバルは否定してくれなかったんだろう……)」
それは、自分に魅力がないからとか、嫉妬深い自分がいけないとか、そういったことを思わないわけではなかったが、それだけが問題ではなかった。人間性も見た目もそこそこなAにとって、重大なことであり、見過ごすには、余りにもショックが大きかったのだ。
聖域での厳しい戦いを共に乗り越え、少しだけ強くなっていたはずの心が再度揺らぎはじめているのを感じて、ふと、Aは自分が泣いていることに気がついた。
スバルの前を歩いていたため、Aが泣いていることはスバルには気づかれていない様子だった。
しかし、これ以上は隠しきれない。Aは、トイレに行くといって言って近くにあった細道へと一人で素早く入っていった。
スバルは急な彼女の行動に驚いたものの、なんとなく彼女の不穏な雰囲気を察し、少し待ってから追いかけることにした。
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「」(プロフ) - 誰かナツキスバルのゆめしょ書いてよぉ…… (2022年9月24日 22時) (レス) id: 4fb2260fe5 (このIDを非表示/違反報告)
「」(プロフ) - 新しい話ができ次第、前作のエピソードを一つ消す予定です。 (2022年5月21日 15時) (レス) id: 4fb2260fe5 (このIDを非表示/違反報告)
「」(プロフ) - リアルのお仕事が死ぬほど忙しいです。 (2022年5月21日 15時) (レス) id: 4fb2260fe5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:「」 x他1人 | 作成日時:2021年9月15日 8時