【ナツキスバル】写真5 ページ49
「好きだ」
「ちがう!」
「ちがわない!!」
「エミリアが好きなら、私なんかを代わりに使わないで!!!」
「お前はエミリアの代わりでもなんでもない!!!
俺はお前が好きだ!!」
「信じられるわけない!!」
「なら…!」
ぐっと距離を詰め、目を瞑る。
………
何気にファーストキスだった。既に付き合ってるのに。
「…………私はキスなんかで誤魔化されない…」
「誤魔化すつもりなんてない。」
なんて伝えれば、何をすればこっちの誠意が伝わるのかを必死に考える。
ふと、今朝のことを思い出す。ズリネタにするはずだった彼女の写真を思い出す。そういえば、ポケットにしまってしまったのがいま手元にある。
こんなもので…という気持ちもあるが、ええいままよ!
バッと彼女の目の前に勢いよく写真を出せば、みるみるうちに彼女の顔が赤くなった。
「は…?なに…それ………」
「俺の宝物」
はっきり言ってやった。死んだかもしれない。社会的に。
ぽかんとした顔をしていたが、赤い顔がもっと赤くなる。俺も赤いかもしれない。耳が熱い。
「だって、エミリアの写真…使ってたって…その………えっ………ち……な…ことに…」
「アレは姉様の口からデマカセだ」
「!…だって…スバルはエミリアが好きだし
………いつもレムに起こしてもらってるし
……私なんて…いらないし……。」
俺は黙って聞いていた。
「そんな写真一枚…あったって…どうせエミリアの写真の方がいっぱいあるに決まってる。
………っていうか…そんな写真、どこで…」
「そんなのいいから、これも見ろ」
俺は尻ポケットに入れてたスマホを取り出し、ギャラリーを開いて見せる。
そこには、Aの写真がぎっちり詰まっていた。
「うわぁ…」
「分かっちゃいたけどその反応するかよ!?!」
引き気味の彼女に、少し、割と少し傷ついたが、「ここまでしねぇとお前信じないだろ。」と、一言言ってやれば、彼女は口を閉ざした。
22人がお気に入り
「オリジナル」関連の作品
この作品が参加のイベント ( イベント作成 )
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:「」 x他1人 | 作成日時:2021年4月16日 22時