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【ナツキスバル】 電話5 ページ5

「それに、ちゃんと自分の間違いに気づけてるじゃん。それって実はすげーいいことだよ。」

「…」

「一生懸命頑張るお前を、守ってやりたいんだ。ずっと。」

「ん゛ゔっ…」

汚い泣き声が出てしまう。でも、我慢できなかった。

「泣いてんのか…?」

「…………スバルの、言葉が、優、しくて……」

電話越しに、彼が笑った。

「はは!っかわいいーなおまえ!少しでもお前の助けになるのなら、俺はいくらでも言葉を尽くすよ」

「……ありがとう…。私もスバルのことが大好きだよ……。わたしもスバルを守りたい。助けになりたい。優しくしたい。………愛してる…。」

 私の好きな人が、私のことを好きだと言ってくれている。それがとても嬉しい。無くなりかけた心が形を取り戻した気がする。

「最近、あんまりお前のところ行けてないのも、良くなかったのかな。」

「実はさ、最近オットーと出かけてるの、お前とのデートの計画してたんだ。」

「そう、だったんだ。」

気が付かなかった。彼はそんなことをしてくれていたのか。
自分の見えている部分でしか、彼を見られていなかったことに気づく。

「あんたに見栄張りたくて、でも、それでまた失敗しちまったな。」

謙虚すぎるそれは、私には優しすぎて。

「そんなことない、スバルが私のことを考えてくれてるってわかるだけで、すごく胸が一杯になる。嬉しいよ…。」

「ああ、俺もだよ。」

 彼と話す度、毎回恋に落ちるような愛おしさを感じる。一生懸命私に向き合ってくれる彼に。

「きっときっと、素敵なデートにしようね」

「ああ!人生で一番楽しかったって言える最高のデートにしようぜ!!」

 これから何度もデートして、助けて、助けられて、その最高の思い出を幾度となく塗り替えていくんだ。これからずっと。

 そんな明るい未来を約束してくれる彼を想うと、また、前を向いて歩ける気がするのだ。

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作者名:「」 x他1人 | 作成日時:2021年4月16日 22時

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