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【ナツキスバル】浮気3 ページ31

「だ…だって……、だって…スバルが、私のこと…見てくれないんだもん…」


「……」


声が震えた。涙も出てきているかもしれない。鼻の奥がツンとしはじめた。目頭が熱い。

「だって…他の女の子のほうが絶対可愛いし、優しいし、しっかりしてるし…わたしなんて、…胸も小さいし、ルックスも……そんなに良くないし、自分のことばっかりで、飽きられちゃったらどうしようってそればっかりで……」

ポロポロと出てきた言葉とともに、耐えきれなくなった涙もボロボロ溢れる。彼は黙ったままだ。


「でも、そういうこと言ったらめんどくさいヤツだって…思われちゃうんじゃないかと思って…言えませんでした…」

「……」

「困らせるようなことしちゃってごめんなさい……。オットーくんにもあとでちゃんとあやまります…ごめんなさい……。ごめんなさい…。」



私が話す間、終始スバルは黙っていたが、ふと口を開く。



 









「…………なら、今から寝室行くか」





しんしつ…寝室…つまり、そういうことをする…?今から……?なぜ…?

体が固まる。思考も止まった。バカになってしまった。

そんな私に、スバルから話し出す。


「お前、そっちからはすげぇアタックしてくるくせに、俺が手をつなごうとしたり、キスしようとしたりするとすぐ今みたいに固まるじゃん」


その言葉にはっとした。

言われればそうだった。私は自分から愛することはできても、相手から愛されることにひどく緊張してうまく受け取れない人間なのだ。


「お前のそういうとこ、可愛くて好きだけどさ。
ずっとそのままだから、もしかして俺に何かされるの嫌なんじゃないかと思っちまってたんだ。」

「そんなことない!私はスバルが一番好き。でも、恥ずかしくて、言えなくて…ごめんなさい。」

「ゆっくりでもいいからさ、ちょっとずつ、俺との距離も縮めてってほしいな」

スバルはそう言うと、私を引き寄せて抱きしめる。慌てて抵抗しそうになるが、さっき言われたことを思い出して手を止める。

「やっと、お前とこうできる。夢みたいだ……」

付き合いたての頃のような初々しさがある。もう付き合っていくらかはするのに。

結局自分の自己中で彼を困らせてしまった。部屋の外でオットーがやれやれ、とため息をついているように感じる。彼には申し訳ないことをしたと思っている。

私は、彼の優しい体温の中、彼の思いに応えるために、そっとその体を抱きしめ返すのだった。

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作者名:「」 x他1人 | 作成日時:2021年4月16日 22時

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