[女性向け] 短編夢小説リゼロ (ページ26)

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【ナツキスバル】　恋4 ページ26

Aは、集団リンチされていた。顔はパンパンに腫れ、ところどころ切り傷もある。執事服の上着は放り出されてズタズタ、ズボンは前がくつろげられていて、シャツは第3ボタンまで外されており、中から白い下着が見えてしまっている。

　暴漢たちは殴っている途中で気がついたのだろう。"彼"だと思っていた執事服の少年は、"彼女"だったのだ。それが分かれば、思いつく、彼女を犯してしまおうと。

「かふっ…」

奥で鼻声の小さな声がする。

　当たり前だ。自分より小さな体の持ち主なのだ。腕の長さでも、リーチは彼らのほうが遥かに上だ。同時に腕を伸ばして殴り合ったとしても、先に拳が届くのは暴漢の方だった。

力だって、筋骨隆々の男と、スバルよりも背の低い華奢な"少女"だ。なにか魔法が使えるわけでもない。ボコボコにされるのは当然で、それでもスバルを想い逃したのだ。

「あ、あ…」

スバルは呆然とした。自分の判断が、彼を、否、彼女を傷つけた。

「お前たち、何をしている」

騎士がドスの効いた声で彼らに叫べば、男たちは服を剥く手を止め、怯えたように後退る。

「その風貌…、まさか…、やべぇぞ…！」

　どうやら名のある騎士なのだろう。彼らは大人しくなり、いつ連絡をとったのだろうか、応援に来た衛兵により確保される。

スバルは、思わず彼女に駆け寄った。近づくと、彼女の目の端に涙が溜まっている。

「A、Aっ、ごめんな…、
ごめんな……」

泣きながらAを揺さぶるスバルに、6色の精霊を統率するその騎士は近寄る。

「事情をききだしたいところだが……、まずは彼女の手当が先だ」

　騎士は彼女の乱れた服を整え、青い精霊に何かをつぶやくと、彼女の体から流れていた血が止まり、すこしずつ傷や腫れが引いていった。

スバルは騎士に、襲われた経緯を話し、彼女の回復を待った。

彼女が、瞑られていた目を覚ました。