【ナツキスバル】 恋2 ページ24
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ぼーっと歩けば、路地裏にさしかかる。危険そうな雰囲気に、二人は引き返そうとするが、背後からガラの悪い男がぞろぞろとやってくる。
ざっと4、5人ほど。自分たちの服装が、貴族に仕える者の証明になることが仇となる。金目のものを狙ってのことだろう。
「お兄ちゃんたちぃ〜、金目のモンあったら置いてけ〜
じゃないと、"こう"だぜ」
前方の一人の男が、収納式のナイフをチャッと取り出し、愉しそうに見せつける。
「おいおいまたかよぉ……」
「スバルは暴漢を引き寄せる体質でもあるのかい?」
軽口の応酬をするが、相手は待ってくれない。「早くしろぉ!急いでんだよこっちはよォ!!」と喚き出す。
「スバル、どうする?」
「とりあえず、このまま裏路地入って、別ルートで逃げよう…」
二人は男たちがいる大通り近くとは逆の、裏路地の奥へと駆け出した。
「行き止まりじゃん!!!!」
「うわ」
当たり前だが、王都なんて大して回ったこともなく、土地勘もない。奥は直ぐに行き止まりであり、大通りは近いものの、完全に男たちに道を塞がれていた。
「おいおいおい、何逃げてんの?早く出すもんだしなって」
「おとなしくぜ〜んぶ出してくれりゃぁ痛い目見ないよ。」
スバルがAを庇うように前に出る。
「わかった。金目のものは全部置いてくから、それで勘弁しろ」
スバルがAに財布などの貴重品を取り出して置くように促す。
「おいおい、服も全部おいてけよ、なァ?」
馬鹿にしたようにケラケラと笑い出す暴漢。完全にカツアゲだけでなく、貴族へのあてつけのつもりでやっているらしい。
流石に服は置いていけない。
しかし、このまま彼らに従わないとおそらくリンチされるのだろう。
スバルは焦りながらも一つの策を思いつく。
前と同じ様に、大声で衛兵を呼ぶのだ。もし、これで来なければ、自分が奴らに殴り込み気を引く隙に、Aに助けを呼んでもらうというものだ。
スバルは大声で衛兵を呼ぶ。後ろにいたAが少しビクッとしたのが分かった。
ーーー結果から言って、衛兵は来なかった。
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作者名:「」 x他1人 | 作成日時:2021年4月16日 22時