[女性向け] 短編夢小説リゼロ (ページ21)

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【ナツキスバル】DVD3 ページ21

「なに…？」

少し苛立ちを感じさせる声が出てしまい、これはいかん、と彼の言葉をさっさと聞いて早く立ち去ろうとした。

「理由、話すよ…。
俺がそれを持ってる理由。
だから、待ってくれ…」

彼は恥ずかしそうにしていたが、意を決したようにこちらを見つめて、こう言った

「その表紙の子が、Aに似てるから…」

「は…」

呆気にとられた。正直、そんなことを言われちゃ、愛されてる気がしてちょっとだけ嬉しい。

が、直ぐに気を取り直して、疑問に思っていたことを聞き返す。

「……やっぱり、欲求不満だった？」

言ってしまった、と言うように頬をかっかさせていたスバルは、はいともいいえとも言わぬまま話し出す。

「その、俺だって男だし、それに…」

「それに？」

急かすように語尾を繰り返せば、彼はまた恥ずかしそうにこちらから目を背けて、

「そんな格好ばっかりされてると、こっちだってもやもやするものがあるっつーか…なんつーか…」

そんな格好
と言われた自分の服装を見てみれば、確かにかなりの薄着だ。暑すぎて脱いだだけのつもりだったが。無防備だったか。
まぁ、それなら彼がさっきからそっぽを向けていたことにも納得がいく気がする。

「気づかなくてごめん。
確かに薄着しすぎたね。気をつけるよ」

しかし、彼は首を振る。

何が違うのか。疑問に思い聞き直すと、彼はおそるおそる、といった風に口を開き、こう言った。

「すげぇ言いにくいんだけど…

む、胸が、見えてる…。」

たっぷりとした沈黙のあとの、衝撃はデカ
い。

タンクトップから私の貧相な胸板が顕になっていた。

下着を、つけ忘れていたのだ。

彼は顔を真っ赤にして、目をぎゅっと瞑ったまま動かない。

「……あれ、もしかしてそれ、わざとやって俺を誘ってた…？とか…？」

彼が変な方向に察し始めた。ちがうんだ。

途端、ものすごい羞恥心が私を襲う。

私は、素早く胸元を手で押さえ、脱ぎっぱなしにしていた服をサッと着ると、全力で彼の部屋から駆け出した。

「うそうそうそ、あの格好でべらべら喋ってたとか恥ずかしすぎる…！」

ってかいつも気づかないであんな格好してたの私！？

「Aーっ！！」

スバルが後ろから慌てて追いかけてくる。でも今は恥ずかしすぎて彼の顔が見られない。

その後、お泊りは無事(？)に行った。しかし、終始照れ照れとしながら、言い表せない気まずい雰囲気はしばらく抜けなかったそうな。