[女性向け] 短編夢小説リゼロ (ページ16)

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【ナツキスバル】服7 ページ16

部屋で寝る準備をしていたAにノックが聞こえた。

「いますよ、どうぞ。」
　
ガチャリとドアが開くと、そのにはスバルがいる。

「よっ、A元気してるか？」

アンタの視界で暮らせたら、明日からきっと医者いらずなくらい元気でいられるよ。
と思ったのはさておき、

「元気だよ。
どうしたの、こんな時間に」

もう時刻は夕時。床について休むべき時間だ。

スバルはすこし大きめの白い箱を手に持っている。

「今日さ、エミリアたんがすっげーかわいい服着ててさぁ」

チクリと心に刺さる。私じゃない人を好きになった彼の、私じゃない好きな人についての話。
あの服を着たエミリアを見て、少女らしい私は消えたと思っていたのに、今更どうして胸が痛むのだろう。

「う、うん。そうだね。とてもきれいだった。」

うまく笑えているだろうか。笑顔も下手くそな私と、蕩けるような可憐な笑みの彼女とが比較されているようで苦しい。こんな考えをする卑屈な自分があまりに醜くて、逆に笑えてくる。

「あれ、エミリアたんにも似合うんだけど、せっかくなら君にもかわいい服を着て欲しいと思って…」

スバルが持っていた箱を開くと、そこには可愛らしいワンピースが収められている。パステルカラーの緑色の、シンプルだが可憐なワンピース。

「今日エミリアたんが着てたのとは違うんだけど、これ、かわいいだろ？」

差し出されたそれは、私のために彼が用意してくれていたものだった。

「貰って…くれないか？」

彼にしては珍しい、控えめな態度に、私の心への配慮を感じる。
そこには、月明かりに照らされた、彼の優しい微笑みが見えた。

「私のために…？」

そうだよ、という優しい口調の言葉を聞けば、なんだか胸がとてもむず痒くて、ついついつっけんどんになってしまう。

「こんなかわいい服、私なんかに…」

「いいだろ？もらってくれよ。な？」

呆然と立ち尽くす私に、すっとその箱を手渡され、「じゃあな！おやすみ」と言いながら、彼は部屋を出ていってしまった。