[女性向け] 短編夢小説リゼロ (ページ13)

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【ナツキスバル】服4 ページ13

燃えるような赤い髪に、空色の瞳。王国騎士の格好をした美青年の彼は、義憤に満ちた視線をこちらに向け、そこに立っていた。

「ゲッ！！」
「逃げろ！！！」

慌てた様子の男たちは、蜘蛛の子を散らすように逃げていく。

「大丈夫ですか？
怪我をされているようですが…」

「うわぁっ！！」

「？」

気づけば青年の顔がぐっと近づいていた。頬にその手が添えられた瞬間、思わず体が飛び跳ねる。青年は困惑の表情を浮かべ、申し訳なさそうにしている。

「すみません、いきなり触れてしまって…」

彼は何も悪くない。しかし、助けてもらっておいてあまりに不躾だが、暴漢に貶されたばかりの今、スバル以外のどんな男にも触られたくない。頬に触れてみれば、うっすらと掌に赤い血がついた。馬鹿な女の血だった。

「いえ！こちらこそ、驚かせてしまってすみません。少し疲れているのだと思います。」

青年はさらに心配そうな顔に浮かべ、こちらを気遣う。

「それは大変だ…それに、頬の傷も…」

「さっき暴れて逃げようとしたときについたのかな…。
それはそうと、助けて下さり、ありがとうございます……」

深々と頭を下げれば、驚いたように青年は言う

「そんな、僕は騎士としての役割を果たしたに過ぎません。
せっかくです、大通りまで僕が送りましょうか？」

ありがたい話だが、一刻も早くこの服を着ている自分を誰にも見られないようにしたい。

「いえ、大丈夫ですよ。街の巡回中でしたか？
お仕事お疲れ様です。頑張ってくださいね。」

　さっと挨拶を済ませて、後ろで止める声も聞かずに、逃げ出すように早足で竜車まで戻った。

竜車の中まで着けば、すぐさま服を脱ぎ捨てる。

「こんならしくもないもの、着るんじゃなかったな」

吐き捨てるように呟いて、服を破ってやろうかと思った。

だが

『きっと似合うぜ』

彼の事を想うと、不思議と服を握りしめる手から力が抜けていった。