【番外編】高嶺の花子さんと1年前

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マユ「中居さーん。駅まで一緒に行こー。」


「俺駅まで行かねーよ。」


マユ「え、こんな夜遅くに女の子を一人にするの？！ありえなーい。それでも男ー？？」


「お前なら大丈夫だわ笑」


マユ「…」


「そんなうるうる目で見られてもね…笑」


マユ「もーいいですぅー。」






バイトが終わった、夜9時。






さすがに一人で帰らせるわけにはいかねーかな。






ほおを膨らませて帰って行くマユの横に並んで、大袈裟に溜息をついた。






マユ「…別に、私なら大丈夫ですけど。」


「お前だって、一応女だろ。何かあったらいけねーし。」


マユ「早くからそう言うべきだね。そして気付くべきだね。私がいい女だって事を。」


「はいはい。いい女。」


マユ「もーっ笑」






頭をぐしゃっとすると、照れたように笑って、機嫌がなおる。






ほんっと、単純な奴。





マユ「…ようやく笑った。」


「……え？」


マユ「今日、笑ってるようで笑ってなかったもん。目がなんか、ずーっと他の事考えてる。」






微笑みながら、俺を覗き込んでくる。






…こいつ、すげーな。






マユ「私で良ければ、いつでも話聞くし。なんなら右から左に流す笑」


「……じゃあ、流して。でもどっかで覚えといて。」


マユ「難しいこと言うなぁ笑…ん、わかった。なんでもどうぞ？」






ふわっと微笑むと、前を向いて、聞く準備をしてくれる。






…コイツにだけは、話してもいいかな。





……ごめん。





ちょっと、話させて。

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