【番外編】高嶺の花子さんと1年前

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A「どんな事情があったのかは知らないから、なんとも言えないけどね？ひろちゃん、酔った時、毎回海の家の話するの。」


「…知らねー。」


A「ほんっとに酔っぱらってるときだけだから、覚えてないんじゃない？笑 でもね、すっごい楽しそうに話すんだよ。木村がどうとか、慎吾がどうとか。」





…おれ、マジで言ってるんだ。




真面目に覚えてねぇ。




A「ひろちゃんはさ、4人の事がすっごい大切なんだな、って思ったよ。事情があったにしろ、大切な人たちがこんな事になってるなら、もしそれが、ひろちゃんのせいなら、責任取って戻ってあげるべきだよ。」




ストン、と言葉が胸に落ちていく。




ふっとタブレットに目を移すと、慎吾のブログが、俺の心に突き刺さってくる。





「…戻る、か。」


マユ「怖いとは思うけど、それでも戻るべきだよ。なんなら、私も付いて行く。」


A「嫌になったら、戻ってくればいいんだし。こんなに言ってくれてるんなら、戻ってみなよ。」





女子ふたりが、俺の前で微笑んでる。




…そうだよな。




慎吾達も、こんなに頑張ってんだし。




でも、戻るのはやっぱり怖い。




あの街に戻るのも、バラバラになったあいつらが、木村や吾郎が、俺を受け入れてくれるのか。




結論が出せないでいると、俺の携帯が着信を告げた。

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