波乱のパーティー ページ43
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私はドレスに着替え、父を待っていた。
「おまたせ。」
紺のスーツと白藍色のネクタイがいい味を出している。
ほんと、この人…老けないよな……(46歳)
魔術師なんてそんなもんなのかもしれないけど。
「行こうか。」
「…うん。」
「大丈夫。立香だけ早く帰してあげるから。クラスの方でもパーティーがあるんだろ？」
「……！ありがとう。」
私は微笑んだ。
目の前の大きな扉が開く。
華やかなパーティー会場。誰かの声が響く。
「藤丸一様、藤丸立香様、入場!」
そんなどデカい声で言わなくても…
会場の人達の視線は私達へと移る。
はぁ、さっさと終わらせて帰ろう。
父に人が群がる。挨拶しているのか。
まぁ、これが普通なんだろうな。
父は偉いから、自分より偉い人間の元にしか挨拶には行かない。
どうしようか。暇だな。
「立香。」
「ゼル!来てたんだ。」
「護衛だ。後は会場警備とか。」
確かにヒーローコスチュームだ。
父の代わりにゼルが私と一緒にいてくれる。まぁ、なにかあると困るんだろうからね。
というか、父からの指示か。
「何か食べるか。」
「んー。寮に帰っても多少食べると思うけど…
流石にお腹空きそうだからいただこうかな。」
私は軽食をいただく。
流石一流のシェフの料理。美味しい。
「すみません、水を。」
「かしこまりました。」
私はスタッフから水をもらう。
流石に食事の時に水がないのはキツい。
私は水を含む。
「どうした？」
「毒盛られた。」
「？！」
ゼルが目にも止まらぬ速さで、先程のスタッフを捕まえる。
なんか、強さ更に磨きがかかってるね。
しかし、これにより会場がザワつく。
私はコツコツと、ヒールを鳴らしながら犯人へと近づく。
「毒盛ったでしょ。」
「盛ってない！ただの水だ！第一、貴方に何も起きてないじゃないですか！」
「ゼル、この人の口開けて。」
「な、なにをっ……？！」
「大丈夫、解毒魔術ぐらい朝飯前だから。」
「嫌だ！死にたくない！がっ……？！」
私は彼の口にコップを近づける。
「らぁめろぉ……！！おへは…わるく……！」
「……。」
ピタリと私の腕が止まる。
流石にこんな最低なことはしない。
「ゼル、連れてって。」
「……立て。」
何故私に毒を盛ろうとしたか分からないが、私には毒への耐性が備わっている。
証拠のこの水は警備の人に渡した。
全く、私の父が怖くないのかしら。
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作者名：マリア | 作成日時：2022年7月22日 22時
