私の弱点 ページ31
さて、まだ試合開始まで時間はあるが……。
作戦では緑谷さんが囮になるとか言ってるけど。
ぶっちゃけ、私一人で事足りる。
「デクくん一人で大丈夫かな……。」
「彼の出る幕はないと思うから大丈夫だよ。」
「え？」
「そういえば、立香の個性ってなんなの？」
芦戸さんからそう聞かれる。
私はうーんと思いつつ、放った言葉はこれだった。
「大体なんでも出来る！」
「すご！」
そんな会話をしているうちに、試合開始五秒前。
合図がなり、私はその場から姿を消した。
転移魔術。
「うわっ？！」
拘束魔術。
まず一人、B組の男の子を捕らえた。
そして、転移魔術を使い牢屋へ。
これを繰り返していれば終わる。
攻撃が効かないように回避はかけている。
「さてと。無双しますかね。」
(転校生だと思って油断した！何だあの個性は…！もう既に二人も捕らえられている。10分も立っていないんだぞ？！)
「物間！」
B組の物間は焦っていた。
自分の策が全て無駄となり、なにも対策しようが無いことに。
そんななか話しかけて来たのは心操。
「俺が洗脳をかけてみる。」
「攻撃すら跳ね返すんだ。洗脳が彼女に効くのか？」
「洗脳というか、声を変えて言えば……。」
心操はゆっくりと立香に近づいていく。
そんな立香は、魔力補給のために金のリンゴを食べていた。
(さて、洗脳が面倒くさい心操さんとやらを片付けに行くかな。)
彼女は飛び出した。
そして、瞬間移動をしようとする。
しかし。
「おい立香！あまりやりすぎるな！」
「？！(先生の声？)」
彼女の頭がぐるぐると回った。
どっかからスピーカーで自分に言ってきたのか、と。
そこまで自分はやりすぎたのか、と考える。
「……！やられた…！！」
彼女の腕には捕縛布。
彼女の視線の先には心操がいた。
(予想どうり……。彼女は先生の言葉なら反応すると思った。)
しかし。思わぬ事態へと変わる。
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作者名：マリア | 作成日時：2022年7月22日 22時
