手がかり ページ4
落ち着いた俺はイレイザーヘッド達に、未来の話しをしてもらった。
立香がいなくなる……。
ある先の立香の未来が見えなくなったから俺が死んだかと思ったが……立香が死んだんだな。
あぁ、考えたくもないことだ。
「とりあえず、黒聖杯が取り憑いたタイミングを考えよう。立香に変な感覚を抱いた時はなかったかい？」
「……文化祭のときですかね、私は。」
「！！俺もそうだ。あの時、歌が終わった時。」
マシュとイレイザーヘッドが同じ時に感じた。
つまり、自分の存在をチラつかせたかったのか？
「立香がこの世界に来て聖杯に触れた回数は？」
「2回かと。」
「いゃ、3回だ。」
マシュが彼の顔を見た。
イレイザーヘッドは言いにくそうに、話してくれた。
オールマイトの個性が衰退し、立香が聖杯の力によって復活させた。
しかし、条件付きにされたという。
1回目は会見場に飛ぶために。
2回目はオールマイトのために。
3回目はサー・ナイトアイのために。
そう、おかしいのは2回目からだ。
聖杯が明らかに言うことを聞かなくなっている。
「もしかして、先輩に黒聖杯が取り憑いたタイミングはあの時かもしれません……。突如現れた、人類の脅威。」
「……！それは本当かい？」
「はい。ですが、それは先輩の一撃によって倒されました。」
「それはおかしい。」
人類の脅威には言うならば…何段階か形態があり、一発で倒せるわけがない。
つまり……そこが運命の分岐点だったのだ。
俺はそれを二人に伝える。
「じゃあ、その時に運命を変えれば……！」
「あぁ。その時は俺も協力しよう。」
だがしかし、立香を狙ったのだ？
何が目的だ？
二人に聞いてもわからないだろうから、聞かないでおいた。
二人を見送ったあと、俺はイヤホンを耳にする。
……悪いがイレイザーヘッド。しばらく盗聴させていただくよ。
彼がそこまでして立香を助けたい理由が一つしか思いつかない。
……好きなのだろう。
あぁ、ちょっと複雑だ。
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作者名：マリア | 作成日時：2022年7月22日 22時
