大遅刻 ページ29
心臓がドッドッドッ……と音を上げている。
え？え？？え？？？
「すまん、そこまで驚くとは思わなかった。」
「せ、先生……？何故ここに……？まさか寝込みを襲いに？！」
「んなわけあるか、アホ。お前が学校に来ないから様子見に来ただけだ。」
「え？今、何時……？」
私は時計を見た。そして叫んだ。
時刻は11時30分を過ぎていた。
どういうことだ？まさか、天の衣と話してたから？！
でもそんなに話していないよ？
時間の流れが違うのか……？
「今日はヒーロー基礎学が午後からある、ちゃんと来いよ。」
「はい……。」
「……なんか悪夢でも見たのか？」
「いえ。ちょっと、夢の中で話しかけたというか。」
「なんだそれ。」
先生には絶対わからないだろう。
こんな経験絶対ないだろうから。
私は布団から出る。
そういえば、この寮にマシュがいない。
身の回りのことは、これからちゃんと一人でやらなきゃな……。
「午後からはちゃんと行くんで。もう学校に戻ってもらって大丈夫ですよ。」
「そうか。またな。」
「……！」
先生は私のおでこにキスを落として去っていった。
そういえば、私達…付き合ってるんだった……！！
少しだけ、顔が熱くなる。
「はぁ……。」
今日のヒーロー基礎学はまさかのA組対B組。
まぁ、仲間同士で戦うのもたまには良いとは思うが……。
おそらく、B組生徒の一名は私達を馬鹿にしてると思うけど。
「今回、特別参加者がいます。」
「しょうもない姿あまり見せないでくれ。」
あ、先生怒ってる……。
というか、特別参加者って？
向こうから現れたのは、見たことのある人だった。
「普通科C組、心操人使くんだ。」
確か先生とちょくちょくなんか、秘密裏に特訓してた子だ。
なんか、先生の弟子みたいな雰囲気漂ってるな。
心操さんの挨拶らしいものが終わりブラド先生が説明を始める。
「心操は今回2回参加させる。」
ふむ。A組とB組どちらにも入ると言うことか。
というか、4人チームということは、あれかな……？
5対5があるってこと……？
「今回、転校生である立香にとって初めての戦闘訓練になる。バランスを考えて、A組が5人になるときにはB組も5人…つまりは心操がB組に入ってる時にお前は戦う。一応ハンデだ。」
あー…そういう設定で行かなきゃあれですもんねー。
私は了解です、と先生に返した。
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作者名：マリア | 作成日時：2022年7月22日 22時
