天の空間 ページ28
私は真っ白い世界で目覚める。
おっと、この空間は見たことあるぞ。
まさか……。
「おはよございます。すみませんね、突如呼び出してしまって。」
「天の衣……？」
「そうです。基本、なにか例外がない時以外は私はこの空間にいなきゃいけないんですよ。本日は、話し忘れていたことを話そうと思いまして。立ち話もなんですし、座ってください！」
私は彼女に指示された通りに、座布団に腰をおろした。
というか、この空間にちゃぶ台と座布団ってなかなかの図である。
本物の天の衣であってるよな……？
「雄英高校での生活がまた始まったと思いますが、貴方の個性である英霊召喚はしないように気をつけてください。」
「……！」
「マシュにはしばらく家にいるように頼んでください。」
「待ってください！それじゃあ私は無個性で戦えと……？」
「いいえ、貴方には魔術がありますよね。それなら大丈夫です。」
魔術……。
サーヴァントは呼べなくても、自分の魔術でなら戦えるのか。
多少は使えるようになっている、問題はない。
「何故、サーヴァントを呼んではいけないのですか？」
「貴方がサーヴァントを呼んでしまうと、人々の記憶が徐々に戻り始めてしまいます。」
「……！」
そうだ。今私が雄英高校で学べるのは記憶が消えているから。
残っている人も勿論いるが、それでも圧倒的に無い人が多い。
天の衣は私に気を使っているのだろうか。
「しばらくは不便かもしれませんが…今だけ、魔術で頑張ってほしいです。」
「分かりました。大丈夫です。」
「良かったです。あぁ、後。聖杯は元通り、貴方の願いをちゃんと叶えてくれるようになりましたので、その後の事は気にせずに使ってください。」
それはありがたい。
あの反抗期みたいな聖杯には困っていた。
まぁ、おそらく黒聖杯の影響を受けていたのだろうけど。
あ、そうだ、聞きたいことが。
「天の衣……！」
聞こうとする前に、私の意識はその空間から無くなっていた。
「っ……。」
私はそっと目を開ける。
天の衣に聞き忘れてしまった……。私の個性の話。
だが、彼女が知っているとも限らない。
というか、今何時よ……。
「おはよう。」
「うわあああああ？！」
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作者名：マリア | 作成日時：2022年7月22日 22時
