ポンコツ ページ23
「余も一応立香と契約した身。大体は把握しておる。立香の前に現れた存在、天の衣。彼女が消したのはまず、立香には個性があるということ。そして雄英生徒だったこと。これが問題の…メイガスだったということ。天の衣はメイガス自体の記憶は消していないのじゃ。メイガス=立香という記憶を消したのだ。天の衣はポンコツなのか…それとも、立香にとって良いことをしたのか……。」
つまり、メイガスという存在はまだ人々の中に残っている。
……ここでメイガスがプロヒーローの舞台から消えたらおかしいだろう。
これに関しては明日話し合おう。
「雄英生じゃなくなったのね……。」
「それに関しては俺に任せてください。校長に事情を説明してみます。今、一さんがあんな状況で…俺しか出来ませんから。」
「イレイザーヘッド……。いいえ。私もそこには行きます。いつも、一さんに頼りっぱなしだからね……。私もやれることはやるわ。」
朋子さんの目はやる気に満ちていた。
立香の夢を潰したくないのだろう。
それは俺も同じだ。
「朝から先生がいるなんて。なにか用事でも？」
「あぁ。一緒に雄英高校に行ってもらう。」
私は軽く頭を掻いた。
寝起きだからあまり頭が回らないが、私は言葉を引き出していった。
「昨日言った通り、私は雄英高校には戻れませんよ。」
「一さんの代わりに俺が話し合ってみる。」
「は……？」
「あら、立香起きたのね。早くご飯食べて用意しなさい。」
お母さんがきちんとした格好をしている。
まさか、お母さんまで来るつもり？
「立香。貴方はまだ子供で学生なのよ。一人前のプロヒーローを目指すなら学びなさい。」
「……！分かったよ…。」
私は朝食を済ませ、髪を整え…制服に着替えた。
雄英高校の制服だけは残っていたか。
私は付いていたテレビを消した。
父のニュースが飛び交っていた。
しばらく休養するということ。
一応プロヒーローだからな……。
NO.1になれそうだった父。
今はゆっくり休んで。
私は家の扉を閉めて、鍵をかけた。
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作者名：マリア | 作成日時：2022年7月22日 22時
