頼みの綱 ページ3
USJの事件葉一旦落ち着き、休みの日にマシュと共に俺は一さんの事務所に足を運んでいた。
「すみません。」
「はい何でしょうか。」
「一さんに用があって来たのですが。」
「社長は今海外でして……。」
俺は受付の女性に事実を伝えた。
「彼はこちらの要望に応じて、帰国してるはずです。社長室は何階ですか？」
「そんなはずは……！」
「転移魔術。……一さんが魔術師なのは流石に知ってますよね？」
「まさか本当に……？あ。左手のエレベーターの60階が社長室です。」
俺達はお礼を行って、エレベーターに乗り込んだ。
実は昨日、朋子さんの方に頼んでおいたのだ。
まぁ、立香の事と言えばあの人はすぐ飛んでくるだろうから。
まともに話せるといいが。
「失礼します。」
「お久しぶりですね、イレイザーヘッド。と、はじめましてかな。立香のサーヴァントのマシュ。」
「……！」
はじめまして、と彼は言った。
どうやら、彼には記憶が無いことが分かった。
いゃ、だがあえてやってる可能性も否定出来ない。
一さん、器用だからな……。
「私に話って何かな。もしかして、この間のUSJで起きたことを謝罪しにきたとか？」
「えぇ。まぁ、それも含めてお話があるというか……。」
急に話すのもあれだから、謝罪で話しを作っていくしかない。
「なーんてね。謝罪はいいよ。立香がどうかしたの？もしかして、急に個性が現れたからそれが気になるの？」
「いぇ…その……。」
俺はマシュと目を合わせた。
一さんは？？？と頭に浮かべていた。
俺は恐る恐る、口を開いた。
「俺達は、過去に戻ってきてしまったんです。」
「……！！それで？」
「力を…貸してほしいんです。」
「……それは、立香関係？」
俺達は暗い表情で頷いてしまった。
「俺は何をすればいい？」
「その…未来で彼女は、黒聖杯に取り憑かれて…命を……。だが、俺達じゃ黒聖杯が取り憑いたタイミングが分からないんです。」
(俺の予想を超えてきたな。黒聖杯？汚染された聖杯が存在するということだ。まずいな……。)
一さんは少し考えているようだったから、俺達は何も言わずに待っていた。
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作者名：マリア | 作成日時：2022年7月22日 22時
