私は少々やりすぎたらしい ページ19
にしても、天の衣様は神々しいな。
天の衣は深呼吸をして、私を見た。
「貴方は少々やりすぎました。」
「……。」
「このままでは貴方以外の人も巻き込むことになります。勿論、貴方の大切な人も。」
「！」
色んな人の顔が思いついた。
私は、マシュと先生の顔を見た。
「どうすればいいでしょうか…？やっぱり私は死ぬべきだったのでしょうか？」
「……いいえ。貴方が死ぬべきだったら、貴方を救うために二人を過去に戻す意味がありません。」
「じゃあ……。」
「この世界の人たちから、藤丸立香がマスターで、雄英生で…メイガスだったという記憶を消します。貴方は普通のどこにでもいる様な人として認知されていた、ただの学生に戻ります。」
あぁ。なるほど。
確かにそれが皆の記憶から消えれば、今騒がれていることもなくなる。
もう決まった。私の選択肢は。
「消してください。」
「待て立香…！俺は！」
「忘れる前に言わせてください。……先生、私は貴方の事が好きです。」
「……！」
「先生が私の事を忘れても、また私の事を好きにさせますから。」
複雑だ。
初めて好きな人が出来て。ちゃんと気持ちを伝えられたというのに。
雄英生じゃなくなる今。彼にとって私は、藤丸一の娘に過ぎない。
恋心なんて消える。
「あぁ、待ってるよ。立香。」
「……。」
私は彼に向かった微笑んだ。
「あのー。感動のところ悪いんですが、もう記憶消し終わりましたよ？」
「「「・・・え？」」」
私達から腑抜けた声が出る。
え、なに。私が愛の告白してる時に記憶を消してたってこと？
完璧に消えてませんけど？！
「あ、この方には効きませんよ？一回私の力というか、聖杯の力を近くで受けていると効果ありません。後家族とかも。」
「じゃあ、まさか……。他にも消えてない人がいるってこと？！」
「まぁ、それに関しては少数でしょうからあまり気にしなくても。貴方の力でなんとかなるでしょうし。あはは。」
天の衣さんは、なんか…ハチャメチャだな……。
私の告白を返してほしい。
消えると思ったから告白したっていうのに……。
私は横目で先生を見る。
「あのー。よければ二人っきりにしてあげましょうか？」
「いゃいいです！！」
空気を読まなくていい！
これから私は、どうやってこの人と顔を合わせれば……。
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作者名：マリア | 作成日時：2022年7月22日 22時
